新庄発 … 短信集 長 月

2013年9月15日
着順 文責:遠藤敏信

 姫神山登山の帰り、石川啄木記念館に寄る。ここの学芸員をしている山本玲子さんは世の男どもには目もくれず啄木ひとすじの研究者として知られている。私もテレビや本を通して知っていた。昔の日本女性がもっていた奥ゆかしさを感じさせる立ち振る舞いとやわらかな声の持ち主で一度お会いしたいものだと以前から思っていた。
幸運にもあこがれの山本さんと直接言葉をかわし本にサインとメッセージまで書いてもらう事が出来た。興奮冷めやらずその晩の酒は「たしなむ」以上になったことは言うまでもない。(今田さんの話によれば一人でずい分と盛り上っていたらしい。)宿泊した七(なな)時雨(しぐれ)山荘付近の牧歌的な景色は素晴らしく、ヨーロッパのスイスを思わせるとは七時雨山に登った全員(5人)の一致した感想であった皆さんにもオススメの山荘と風景である。
【 三原 茂夫 】

● 稲刈を間じかに控え、最後の草刈りを終えた。年に5~6回、畦畔の草刈りをするが、その際カエルや蛇が回転刃に触れ、相当数犠牲になる。今年はこれが最後だ。
   今年度の米価を決めるともいえる、全農による新米の買い入れ概算金が発表された。ある程度は予想されていたとはいえ、昨年より60kg当たり1500円位安く設定された。生産費割れである。有機栽培の面積を拡げるのはなかなか難しい。農縁会員の皆様とのつながりを、より大事にしたい。      
【 今田 多一 】

● もうすぐ今年も収穫の秋を迎える。今年の稲の生長を振り返ってみると、この冬の大雪で雪どけが遅く、稲の種まきも半月遅れだった。半月遅れのスタートに始めは生育を心配したが6月は好天に恵まれ稲も生育の遅れを取り戻し、安心したのもつかの間7月は毎日のように雨で、記録に残る新庄市の7月の雨量だった。
8月に入って晴れた日が多くなって稲の生育も回復するが、やはり7月の曇天で稲の炭素率が低く、イモチ病(イネの病気)の抵抗力が弱くなり、心配していたイモチ病が発病し稲の穂が枯れていく。刈り取ってみないとわからないが2~3割は減収していると思う。農薬を使わない農業の厳しさを今年ほど感じたことはない。
【 星川 公見 】

● TPPに思う - 農を営む者として ― 韓国FTAについて
 8/28~29、韓国から15名(通訳2名)の農家の方が大豆畑(トラスト)の視察に来られ、ネットワーク農縁新庄の面々と交流会を持ちました。
主に専業農家で有機農業などされているみなさんでした。8/26~30までの日本滞在で、テーマは循環型農業、循環型町づくり、産消提携と三つの課題での山形視察なのでした。韓国ではアメリカとの自由貿易協定(FTA)を2011年11月に結び3年目になっています。その間農業では食べていけないと12,000戸の農家が離農し、土地と家を国に買ってもらい、都会に出た人が大半という事でした。畜産農家にとっては飼料代が高騰し、採算が合わず廃業に追いやられている。韓国政府はFTAにより対米輸出が年平均約1,270億円増加する見込みをしたとのことですが、現実は農を追われ農地を取り上げられるのがFTAであり、韓国がアメリカの経済植民地化されている現状が伝わってきました。
韓国の憲法などの国内法よりもFTAの条項が優先する。アメリカ企業が持つ特許権(知的財産権)を強く守る条項があり、韓国側のきわめて不利益を被る内容になっている。韓国の農業者、自治体が地元の児童生徒に給食用の食材を無償提供することは自由貿易の原則に反する、等々。
 「国民の食を担う」そう自負し何代も農地を耕し、営みの中で子を育て自分も育てられた。農地を手放す … どんなにか残念な思いの中で12,000戸の農家が離れていったことか。視察団の残念な思いを強く感じました。
 農家は水路を守り、農道を守り、村の治安を守り、人がより暮らしやすい環境を整える。みんなで職場を守り、多くの人が関わって成り立つ共同体の職業なのです。FTAによってどんどん壊れる様を韓国の農家は見ているのです。日本がTPPに加盟する、このことを皆さんどう思いますか。加盟後の姿は今の韓国のFTA後の姿に重ねて見えてしまうのです。 (9/15)         
【 高橋 保広 】

● 8月も中旬に入ってから9月上旬まで雨が続き夏を感じることが出来たのは旧盆の頃の一週間だけという有様。ただ8/24~26の新庄まつりはよく晴れて、祭り日和となり、この時ばかりは新庄の人口の10数倍の人の波で溢れかえった。 東西南北の目抜き通りには露店がずらりと並び、賑わっているように見えた。一方、城跡公園近くには以前は20店以上の植木や鉢物の店が出ていたが地方経済の疲れと同時進行で少なくなり、今年は7店のみとなっていた。顔見知りとなっているオッサン、おばさん方は一様に全然売れないと嘆くが、その言葉を聞く私も一鉢も買わないでしまった。
 稲の方は高温多湿の日が続き、穂首イモチ病による穂枯れが目立つようになっていたが大きな広がりには至っていない。無農薬田の方は今年は米酢や貝殻微粉末を水に溶かして散布したところ100%とはいかないが一定の効果は実感できた。刈り取りまであと一息。このままでと祈る毎日です。         
【 笹 輝美 】

● 夏祭り(新庄祭り)が終わったと思ったらめっきり秋らしい風となりましたが、雨ばっかり降っていたせいか朝にはミンミンゼミが鳴き、夜には虫が心地良い音色を出し、夏と秋が入り乱れるこの頃です。
【 吉野 昭男 】

● 8月末よりねぎの収穫作業が始まり、忙しい毎日を過ごしています。そのかたわら中学野球の指導をしていますが、果敢な時期の中学生は少し反抗的なところがあり、気持ちを抑えながらの指導となります。大変ですけど、好きな野球ですので一人でも多く、高校でも野球に打ち込む球児を送り出したいと思いがんばっているところです。 
【 星川 吉和 】

● 昨日は久しぶりに気温が30℃を超す猛暑日だった。収穫期で野良の往来が多くなる前にと、農道の補修作業(敷砂利)があった。汗だくになり、上下とも着替えをするほどだった。特に午後の作業ではバテを感じてしまった。
Sさんと通称サブちゃん、ともに今年80歳になった方々も参加していた(息子たちが出れば来なくてもいいのだが)。「オラぁ、汗はあんまりかかねぇ」とすまし顔でいう。「まだ80歳だべ。食いたいものを食って、酒も少しは飲んでよ」と。
「もう○○歳だ」と「まだ○○歳だ」の違い。気概を学ばねば、と思った。
【 遠藤 敏信 】

そばの花が満開(9/15)



















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