新庄発 … 短信集 神無月



2014年10月16日

文責 : 遠藤 敏信

● 台風19号が東北地方を縦断しそうな予報が出ているので、急遽、小豆(あずき)の脱穀作業をした。むらの中で誰かが亡くなると、茶碗一杯のもち米と盃一杯の小豆を、村中の世帯が供出する風習が、私の村ではつい5年ほど前まで続いていた。
 各家々ではもち米と小豆が必需品であったが、非農家の世帯も何軒か出来、自家用に作付する人も減ったため、現在はお金(500円)に変わってしまった。
 小豆は冬至かぼちゃで使うのはもちろん、正月に残ったモチをお汁粉風に食べた子供の時は本当にうまかった、と昔を懐かしく思うのはやはり年をとったせいだろうか
【 今田 多一 】

   稲刈りが9日に終わる。収穫の喜びもなく今年は疲労感だけが残った。主な原因は コメ余りによる米価の大幅な値下げと、それが一時的なものではなくこれからも続くと思われることだ。田んぼの4割近くも減反しているのに、このあり様である。
 昔と食生活が変わり、コメ中心ではなくなったにもかかわらず、日本の農家はいつまでたっても米だけを作り続けているからこうなるのは自業自得だ … と言われているようで気が滅入る。
 さてこれからどうするか。倒産寸前だった北海道旭山動物園が再生したように、山形県の加茂水族館が世界一のクラゲ水族館として生きかえったように、私たち農民が考えも及ばない斬新なアイデアが会員の皆さんから出てこないものだろうか。
【 三原 茂夫 】 

   15年前、ネットワーク農縁ではじめた「大豆畑トラスト運動」で、私たちは無化学肥料・無農薬で大豆を作り始めました。そして「味噌」・「醤油」につづけて新庄駅前の「八百清納豆」屋さんに「無農薬大豆の納豆」の委託加工をお願いしました。そのおいしかったこと! 特に品種「たちゆたか」で作った納豆の味は抜群でした。だんだんファンが増えて「今年は毎週作ってもらおう」と意気込んだ矢先、八百清さんが閉店されました。それから半年「あの納豆を何とか食べたい」と、今私たちの納豆工場づくりの計画が進んでいます。間口9間、奥行き3.5間30坪ほどの小さな工場ですが、設計図が出来上がりました。八百清さんと同じ「石室づくり」の方式をとっています。納豆づくりの指導は八百清さんから徹底的に受けるつもりです。八百清さんも協力を約束してくれています。皆さんもぜひ応援してください。
(有)新庄最上有機農業者協会【 佐藤 あい子 】

● 9月初旬から10月にかけてたてつづけて3回 ギックリ腰になった。夜ごと温泉に通う。籾摺りで米を扱う時は必ずコルセットをきつく捲いて対処した。少しおかしくなると整体マッサージを受け矯正してもらい、結局休むことなく何とかこの1か月を持ちこたえている。妻は「年なんだし、ガタがきてるんだワ。あんまり無理しちゃだめよ。飲みすぎも気をつけて」などと心配そうに言うが、その目と顔は笑っている。
で、なんだかんだで、まだ稲刈りをしています。30aの田んぼ(30m×100m)
4枚を残しており、順調にいけばアト2日で刈り取り了となる予定。刈り取りし収納してしまえば一段落だ。ご近所には稲籾の乾燥の際、ずい分ホコリをまき散らして迷惑をかけた。刈り上げの餅をついて、おすそ分けをしようと思う。          
【 遠藤 敏信 】
 


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