新庄発 … 短信集  文 月  

2018年7月16日
文責 : 遠藤 敏信
暑中お見舞い申し上げます
加えて、豪雨災害に遭われた方々に謹んでお見舞いを申し上げます

● 6月末から7月初めにかけて田んぼの水を抜き、中干しをするため排水の溝切りをする。若い時は1枚(30a)に10本くらい切っていたが、年をとるたびに減り続け5本となり、去年は4本に、そして今年は3本にしてみた。ぬかる田んぼの溝切りは本当に大変だ。
◦毎年のように九州・西日本が大雨による山崩れや河川の洪水で甚大な被害が続いている。今年は特にひどく200名を超える死者・行方不明者となっている。そして水道の断水によって日常生活は困難を極め、家のドロを流しての後片付けもままならない。せめて避難所や地区単位に地下水を利用した井戸や発電機の備えがあったらと、テレビを見て思った。
【 三原 茂夫 】

● 西日本を襲った記録的豪雨が起きる前の7月初旬、中干のための溝切りを行った。毎年秋、軟弱な田になるため、10~12株おきに溝を切り、水はけをよくするのであるが30℃超えの暑い日だったため、体にこたえるのである。その後新庄は豪雨にこそならなかったがすっきりしない日が多く、溝は元の木阿弥である。
【 今田 多一 】

● 6月はじめ風邪をひいた為、無農薬田の機具による除草が遅れてしまった。その結果、その効果は著しく劣り、雑草は見事に繁りその後の手取り除草に10日間も費やす羽目となった。高温と蚊の攻撃に耐えながらである。体はヘトヘト、他の作業も自然遅れに遅れ、当然多くの手間を要する事となる。
 作物は生きている為、その各ステージにおいて適度の管理を行わないと労力的にも品質・収量ともすべてがマイナスの方向に作用してしまう。結果、予定していた山行きは中止。又、28歳から続けてきた神室連峰の山道の管理作業も引退することにした。しかし、これからも仲間たちと登山者の安全と自然環境問題に関しては行動してゆきたい。美味しい作物を作る為の大切な水を汚したり失ったりすることのないように。
 今日14日、東北南部が梅雨明け。稲は穂づくりに入っており高温と多照が続くと急速に生育が進む。今後は特に低温や異常高温、長雨や台風の影響がないように祈るばかり。農業にあってはいくら機械化・システム化、データ利用を進めたとしてもどうすることも出来ないのだから。             
【 笹 輝美 】

● 西日本の豪雨被害の報道を見るにつけ、何とも気持ちが重くなります。7年前の大震災の津波のテレビ映像と重なりもします。雨は時に“恵みの雨”とも言われます。しかし、このような場合は“憎っくき”雨になります。「数十年に1度の豪雨」「経験したことのない雨量」というフレーズを最近聞き続けているように思います。何かがおかしい。極端な気象現象。地球の環境に異変が生じ、確実に悪化しているとしか思えません。どうすればいいのでしょうか。           
【 遠藤 信子 】

● 明治の頃、イザベラ・バードという英国人の紀行家が日本を旅して、見た印象を感じるがままに書き連ねた。その中の1つ、「日本奥地紀行」(1878.明治11年6月~9月)に触れる機会があった。新潟から始まるこの旅で女史は、山形県に入ってY市を「エデンの国」、N市を「東洋のアルカディア」、K町を「ロマンチックな雰囲気」などと形容した。ここまでは知っていたのだが、本自体は読んでいなかった。はて、わが町はというと、「新庄は人口五千を越えるみすぼらしい町で、水田の続く平野の中にある。」と書いている。当日(7/15)は雨。宿ではひどく蚊と鼠に悩まされたということも。
 新庄人としては「みすぼらしい町」とあらわされたことを良しとしない。当時、新庄は戊辰戦争関係で疲弊していたらしい。旅人とふれあった人はいない。
つや姫に穂肥を施した。生育は今のところ、きわめて順調だ。 
【 遠藤 敏信 】


新庄発 … 短信集  水 無 月

2018年6月15日
文責 : 遠藤 敏信


● 先月に引き続き今回もテレビを見ての感想を一つ。NHK「100分で名著 生きがいについて 神谷美恵子」の最終回で私は驚き、かつ感動した。ハンセン氏病で長島の愛生園にいた患者が、友人の朗読する聖書の言葉に全身を貫き通すような大きな力を感じ、どうしても自分で読みたいという欲求にかられる。その人は後遺症で目も見えず、点字を読む指先も失っていたが、わずかに感覚が残る舌先と唇で詠む舌読を始める。こんな読書を今回私は初めて知った。そして読む喜びを感動的な詩に残している。それにしても、この人をこんな気持ちにさせたのは、聖書のどの場面だったのか気になる。
【 三原 茂夫 】

● 田植えを終えホッとするのも束の間、転作田への大豆の播種・雑穀の移植・草刈りと次から次へと作業に追われています。無農薬栽培田の機械除草は16日から始めようと思っています。
 今日、印鑑を携え農業再生協議会の今年の作付けについての申請に行った。転作の確認と慣らし対策の積立金やら、返納金やら、新たな収入保険制度に加入するか否かについて等々問われた。「よくわからない」と言ったら、未定にしておきますね、と言われた。コロコロ変わる農政に百姓たちは翻弄され続けるばかりだ。
【 今田 多一 】

● 田植え後、好天が続いたため、稲の活着が早く生育は良好だ。しかし、自分はと言えば、田植えが終わりホッとしたためか疲れがたまっていたのか、風邪をひいてしまい3日ほど寝込んでしまった。無農薬田の雑草はそんなことには一切関係なく伸びてくる。一日も早く器具を使っての除草を行わなければならないのだが … 。
 昨年10月末、玉葱の苗を200本ほど植え付けた。一昨年失敗しているので今年こそはと張り切っていたのだが、春に芽を出したのは1割に満たない18本のみ。カミさんは「原因は農薬を使わないので、虫ではないか」というのだが、いまだに不明。古来より「百姓の来年」と言う言葉があるが、いつまで経っても一年生と言わねばならない。
【 笹 輝美 】

● 田植えが終わっても忙しい。米粉菓子の加工、畑作物の定植、諸々の事務などなど。そんなことから、家族には無農薬栽培田の草取りは、今年は勘弁願うことを伝えている。
 今日、上京します。6月16日(土)に17年来お付き合いのある川崎市の「こどものいえ もも保育園」に、“笹巻き作り&お米の話”の交流会に参加するためです。こどもたちの主食を担う生産者の一人として、そのお米を作る過程の話しと、園で季節の話題として人気となっているという笹巻き作りの指南のためです。笹の葉には抗菌作用があると言われています。そのことを長い経験の中で、田植え時のおやつとして、また、保存性も良い手軽な糧ものとしての利用に気づいた先人たちの知恵は、すごい!と改めて思っています。
【 遠藤 信子 】

● 雑草が勢いづいている。せがれが無農薬栽培区の手押し除草を始めた。じきに手取り除草に入らねばならない。ウンザリする気分をはねのけて … 。
【 遠藤 敏信 】