新庄発 … 短信集 … 弥 生

 2022年3月15日
文責 : 遠藤敏信


● 新庄でもようやく春の気配が感じられるようになったが、雨が降らない為、雪解けは大幅に遅れそうだ。ビニールハウスの中は夏。あまり温度が上昇しないように遮光対策をとっての作業が続いている。ラジオからは連日ロシアによるウクライナ侵攻のニュースが流れる。権力というものはそれを握った人間を狂わせるもののようである。殺し合いと破壊合戦など望む人はそうはいないと思うのだが戦争は無くならない。戦争を無益と考えるのは私たち庶民で、富と権力を手にしている人達にとっては戦争ほどおいしいものは無いのも事実かも知れない。
 この国でももはや戦後を知る人さえ徐々に減少してきている。いや、知ろうともしない人達が勇ましく気勢を上げるようになってきた。旧財閥は復活し軍事産業の道へ。いつか来た道にならなければ良いのだが、と、子供達の姿を目にする度にそう感じてしまう。
  ある著名な方が言ったそうな。「私が歴史から学んだ事は、人間は決して歴史から学ばないという事 」と。
 早く戦争など終わって欲しいものだ。そして希望の中で今年の米作りをスタートさせたいものである。
【 笹 輝美 】

● テレビでは毎日、ロシアのウクライナ侵攻を報道し続けている。爆撃地の模様や避難を続ける人々が映し出されている。かつて日本も侵略し、傀儡政権の満州国を作った時の構図に似ているような気もする。
 あの有名な日本国憲法の第9条、「武力による威嚇または武力の行使は国際紛争を解決する手段としては永久にこれを放棄する」  この精神をどの国も生かしてほしい。
 作家・井上ひさしさんも“日本国憲法は世界史からの贈り物であり、しかも最高の傑作であると信じています”と言っていました。
 日本も戦争ができる国に近づきつつある中、この平和憲法は手放したくないものだ!
 戦争はNO! だ。
【 今田 多一 】

● ◎ 11日かた雪になり、1年ぶりに田んぼを歩く。遠くに見える月山・鳥海山も真っ白だ。
 昔かた雪になると子供達がソリを引いたり、走り回ったりして賑やかな声が聞こえてきたものだが、今広い田んぼにいるのは私だけだ。 

◎ 連日テレビで報道されているウクライナ情勢をそれぞれの専門家が解説しているが 今必要なのは現場に行きロシア軍を止めること。無差別攻撃にさらされて電気・水・食料・医療品等が不足している所へ必要としている物資を届けること。どうすればそれが可能になるか。素人の私の考えでは、ロシアが反対しても国連平和軍を組織し、赤十字やカトリック・ロシア正教の代表、そして各国の志願のボランティアがそれぞれの旗を掲げ現場に行く。もちろんロシア軍に事前に通知する。それでも無差別に攻撃してくるだろうか。
 核兵器を持ち、威嚇してくる相手に国際社会がいかに無力であるかを知って愕然とする。
【 三原 茂夫 】

● 11年前のことを思い出しながら、今年もテレビで東日本大震災の追悼番組を見たりした。私たちは炊き出しやがれきの撤去、物資の提供等々、その時々でできることを考え、動いたことを思い出す。
 新庄に被災者を招いて田植えを行った縁から、秋には皆が植えた田んぼの稲穂を刈り、「春の田植え・秋の稲刈り」が交流活動の大きな柱になった。この米は、「まけるまい(米)!」と名付け、500円の寄付に対するリターンとして2合を配った。全国の方々に応援いただき集まった支援金(志縁金)を使って、震災を風化させないよう「語る会・聞く会」を企画、首都圏や関西、四国にも語り部(被災者)を連れて行った。「自分たちの経験を少しでも多くの人に知ってほしい!万一の時一つでも多くの命が助かって欲しい」との願いを込めて … 。
 今、世界情勢は揺れている。そしてコロナの脅威で生活が大変な人が大勢いる。家族とともに美味しいお米を食べられている自分の幸せをかみしめながら、「ささやかでもいい、自分にできることをやろう!」という気持ちが沸き上がるのを感じている。
【 工藤 恵子 】

●冷え込んで、かた雪になった11日、苗代用地に雪の厚みがどれほどなのか確認しに行った。吹き溜まりにもなっていて、丈はまだ1mぐらいはあった。4月半ばまでは消えてもらわねばならないので、融雪を促すためにもみ殻燻炭を撒いてきた。
 3月11日はまた、東日本大震災の記憶がよみがえる。地震による大津波が町を、人を吞み込んだ。これが天災なら、今、狂気の人の手によってウクライナの町が、そして市民が、砲弾により惨状にさらされている。どう理屈をつけようとも覇権主義はダメだ。侵略の暴挙を正当化させてはいけない。国連は、決議はしても何の効力も示しえない存在、なのか。
【 遠藤 敏信 】