新庄発 … 短信集 … 長 月

 
2022年9月15日
文責 : 遠藤敏信

●11日朝、月山がくっきりと浮かんで見えた。急に登りたくなり6時に家を出る。コンビニで朝、昼のおにぎりを買う。最近、頭にくることが多く、気分転換をしたかったのだ。
 NHKニュースで“子供食堂”がピンチにあることを知る。様々な理由で育ち盛りの子
供たちが満足な食事を受けられず、それを少しでも手助けしようとボランティアが民間の寄付と補助金で運営しているのだが、コロナ禍で食料品の値上がりや寄付金が減り、年間の予算100万円を集めるのが苦しいというのだ。
 日本の将来を担う子供達が、世の中の人が自分達を気にかけている、応援してくれていると思うことは、これから生きていくうえで大きな励ましと力になっていくと思うのだ。まさにこの事業で使われるお金は子供達を生かしている。生きてゆく使い方なのである。
 よく見れば世の中には、もっともっと生きる使い道はあるだろうに … と思う。
 今、岸田首相は公と私の区別すら出来なかった元首相を、国民が望みもしない国葬にするという。政治的儀式のために何十億という税金(汗と血に例えられる)が生きてこない死に金になる、というのに。
 痛むヒザをかばいながら、約10年ぶりに月山の頂上に立つ。視界良好、新庄の街並みも稲刈り前の黄金色の庄内平野も、飯豊、朝日、蔵王、遠く岩手山も見えた。
 10年と少し前、“村野住人”と二人で肘折温泉に下りたことがある。登山道を目で追っていくと、念仏ヶ原の山小屋が見えた。あの時、もう一度この小屋にきて月を見ながら酒を飲もうと言ったものだが、今や満身創痍の二人にはである。                            【 三原 茂夫 】

 ●ネットワーク農縁が初期のころ、ア・シード・ジャパンという環境問題に関心のある若い学生たちを中心としたグループがバスをチャーターし援農に来てくれた。20人ほどの若人が列をなして賑やかに、田んぼの草取りをする様は壮観だったことを思い出す。4,5年続いた。
(写真は≒20年前のもの)
 その参加者の中にこの夏、杉並区長に当選した“岸本聡子さん”がいたことが生産者である私の所にも伝わってきた。毎日新聞に岸本さんが著した「私がつかんだコモンと民主主義」(晶文社)が一面の広告欄に出ていたので早速購入した。ネットワーク農縁との関係もページを割いてくれていた。私が一番気に入った文面は「運動というのは、勝ちか負けか、変わったか変わらないかという二次元的なものでも、短期的なものでもないと私は思っている。私にとって運動とは問題を解決するために自分の考えや価値を言葉にして共感する人々をつなげる作業であり、生きることそのものだ」
○稲刈り直前です。作業小屋の片づけ作業をやっています。                
【 今田 多一 】

●7月の記録的高温と旱天が一転、8月に入ると雨又雨の日がほぼ1ヶ月続き、日照不足と一時的低温により稲の登熟はやや遅れ気味。それでも雨が続いたにしては心配したイモチ病が大発生する事もなく収穫を迎えられそうです。
 コロナが心配でどこにも行けず、好きな登山も地元の山以外は足が向かない。為に家で新聞や本を見ているばかり。ウップンを晴らす鉾先は新聞の記事。何かとケチをつけたくなる。その一つが 〔投資家敵視は間違い〕 という記事。確かに遊休資本を活用して企業の経済活動を活発化させるという本来の目的は理解できるが、果たして今、真の投資家と言える人はどれだけいるのだろう?多くは投資家ではなく、ただの投機家でしかないように私には映る。政界のあるお方は口ぐせのように投資家保護を口にしているが、投機家を保護しなければならない理由はどこにもない。
 東電の株主訴訟、あれは何なんだ。そもそも原発の危険性を十分認識しようともせず、会社の経営方針を決めたのは株主本人ではないのか。自分達の責任を顧みず損害をこうむったと言うのはあまりにも身勝手。真の投資家なら会社が苦境に陥った時にこそ応援すべきであろう。おいしいとこ取りしか考える事が出来ない連中が社会を混乱に導いてゆく、と言っても過言ではない。12兆円を被災地振興に使って欲しいものである。 …と又、息巻いてしまう私がいる。 
【 笹 輝美 】

●前に、今年の梅雨明けは6月末頃で異常に早かった、と書いた。8月は断続的に雨が降り続いた。
 9月に入り、梅雨明けに関して気象庁は訂正を出した。本県などの「梅雨明けは特定できない」と。
 近年の気象予測は精度が高いと思っていたが、気象変動の異常さはそれを上回る深刻なものらしい。
 連日、新聞・テレビは ①元首相の国葬問題と ②旧統一教会問題に触れている。結論から言うと私は国葬にするという発想自体を嫌う。①に至る根本原因は②と関係性が極めて高く、政権党と教団とのもたれあいによる、まっとうな社会を脅かす由々しき構図が見える。身勝手を極めた故人に、多額の国費(税金)を使って ①を利用し、外交手段にしようなんてぇのも全く身勝手なことだと思う。
今日から稲刈り(ヒメノモチ)を始めます。刈り取り → 乾燥 → 貯蔵 → 籾摺り→ 出荷 → 刈り取り → … … のローテーションがこれから約1ヶ月続きます。    
満身創痍 の 【むらのじゅうにん】