新庄発 … 短信集  皐 月

2020年5月15日
                          文責 : 遠藤 敏信

●田植えに向けて只今代掻き中です。田起こしと違い、代掻きは上の田が水を張り、代掻きを行わないと下の方にはなかなか水が乗って来ません。
 自分の都合だけでは思うように作業が進まないのも、水が主役の代掻きです。
私は20日前後を田植え始めを予定しています。
 農作業に集中している時はコロナを忘れますが、夕方の県内感染者の動向を伝えるローカルニュースはやはり気になります。          
【 今田 多一 】

●トラクターを入れている小屋のシャッターを閉め忘れていたら、ツバメが巣作りをしてしまった。本来ならツバメは幸せを運んでくれる鳥として喜んでいいのだが、10年以上も前にこの小屋に巣を作り、子育て中だったところを、家のネコが襲ってしまったことがあったから又同じになるのではないかと心配になったのだ。その時のネコはもういないのだが、5年ほど前に野良ネコが孤独な私をなぐさめようとしたのか家に居ついてしまった。このネコは前のより一回り大きいオスネコで、体重を計ったら6.5㎏もある大物で、時たまスズメなどの小鳥をくわえてくることもある。このネコにいくら言い聞かせてもわかってくれそうもないし、せっかく巣を作っているのにシャッターを閉めるわけにもいかないし … 。  
【 三原 茂夫 】

●4月以降、低温傾向がある為か桜の開花も思ったほど早くはならず、山桜に至っては平年と変わらず、山の残雪も3月頃の予想よりは多く、田圃の代掻き作業に支障をきたすような事にはならずホッとしている。連休中もいつもと変わらず農作業に追われる毎日、夕方になるとヘトヘト。屋敷内に次から次と咲く花々にいやされながら、精を出している。
そんな中、昔聴いた鶴田浩二の歌「傷だらけの人生」がラジオから流れてきた。改めて聴いてみると、その歌詞とセリフが今の世と見事に重なってしまったもので… … 。台詞「古い奴ほど新しいものを欲しがるものです。今の世の中どこに新しいものがありましょう。生まれた土地は荒れ放題、右も左も真っ暗闇じゃございませんか」 歌詞「何から何まで真っ暗闇で 筋の通らぬことばかり 右を向いても左を見ても バカと阿呆の絡み合い どこに男の夢がある」
 すべてが戦前回帰と米国のコピー。新しいのは人類が戦うべき相手・コロナウイルスぐらいではないか。今、儲けるだけの効率から共生の為の効率を考えなければならない時だと思うのだが。                   
【 笹 輝美 】

●我が家は集中する時は一緒だが、普段の仕事は分業状態です。おっとっとは田起こし、代掻き。息子は苗の管理、畔草刈りに大わらわ。私は加工所にこもったり、、草刈りや畑仕事。
普段農道を、朝夕散歩する人は結構います。コロナでの感染拡大防止のためステイホームで過すことを促されている今、時間に関係なく犬を連れたり、子供連れであったり、散歩者の数が目立って増えています。顔見知りでなくても、挨拶ぐらいは交わすことのできる人って、いいな。           
【 遠藤 信子 】

●日に日に草木の葉が拡がる。山肌が彩りと膨らみをを増していく。私は仲間たち同様、代掻き作業の真っ最中。コロナに対する思いも同じ。収束を願うばかりだ。改めて思うことは、人間の暮らしの基本は“医・食・住”が整うことなんだ。経済が循環し、音楽や芸術、文化・スポーツに親しみ楽しむことも生きる力に、大きく関わるんだ、と。

 4月半ば、友人からもらったCDにはまっている。「人生の扉」、「いのちの歌」(竹内まりあ)という2曲が入る。あろうことかトラクター作業で、運転をしながら大音量・エンドレスで聴き入っているのだ。歌詞がイイ。旋律もイイ。柄にもなく涙をこぼす自分がいるから驚きだ。(嗚呼、センチメンタルスプリング) 友曰く、「年とった証拠じゃん。コーヒー飲みに来て!」 「俺、酒の方がイイな … 」
【 遠藤 敏信 】
代掻き作業