新庄発 … 短信集  弥 生


2018年3月15日
文責 : 遠藤 敏信

   2m近くあった雪も今では半分位になり、陽ざしにも春を感じられる季節になった。毎年この時期山スキーで田んぼ近くの山を回ってくる。去年と同じく雪に残された動物の足跡がとても少ない。農道を除雪して堆肥を積んでいる所があり、近づいてみたらキツネが日向ぼっこをしている。私を見つけても逃げようとせずじっとこちらを見つめているだけ。「しまった。カメラを持ってくるのを忘れた。チャンスだったのに」痩せていて冬毛なのに美しくない。栄養が足りないのがひと目でわかる。やっと逃げようと堆肥から雪の上に上がろうとジャンプするが、届かない。体力を消耗させまいとその場を離れたが、雪どけまで生きることが出来るだろうかと思った。このキツネと比べて悪いのだが、安倍首相、麻生財務大臣、菅官房長官の3人には政界で生き残ってほしくない。まさに見るに耐えない状況である。
                              【 三原 茂夫 】

   まだまだ家の回りや田んぼには相当な雪が残っている中、水稲の細目表が配布された。今年の作付け計画を組まねばならない。そして転作をどうするか。田んぼ1枚ごとに品種などを記入して提出するのである。担い手不足や高齢化と言われて久しい。私の村を見ても60代が大半で、70代も頑張っている。そういうことで、農村はかろうじて保たれている。
 農村を疲弊させておきながら自作農主義を捨てる「農地法の改正」、“モリ・カケ”の裏で成立した「種苗法の廃止」。
「農家の自家増殖原則禁止」に意義あり(現代農業4月号334P~)に同感。自家増殖の余地あることこそ、多様な農業を可能にするものと思う。
【 今田 多一 】

   新庄も雪は収まり、ようやく天気予報から低温注意報が流れなくなった。気温の上昇だけでなく、風が吹くと雪どけは更に進みやがて又、熊やイノシシ等の動物たちが活動し始めるだろうし、杉花粉が黄色の吹雪となってまき放たれるであろう。そして、植物たちも雪がとけだしたところからすぐに顔をのぞかせはじめる。近年、雑草退治に米国モンサント社の除草剤「ラウンドアップ」等が使用されるようになった。雑草の根まで枯らすからだが、成分の「グリホサード」はWHOが発がん性があると認定しているものだ。国内では過去いくつかの除草剤が発がん性を理由に使用が禁止され姿を消してきたが、何故かラウンドアップ等は発がん性があるとは報じられていない。そのような除草剤を毎年、複数回作物に直接かける農法。雑草は枯れても作物は枯れることはない遺伝子組み換え作物や、乾燥を早める為に、収穫前に作物の茎葉を枯らせてしまうやり方。このような方法で作られたものを食べたいと思いますか?
 今年も問題山積の経済情勢である。しっかりと見定めていく必要がある。
                               【 笹 輝美 】

   3月に入って暖かくなり雪解けが進んでもう積雪がピーク時の半分ほどになりました、思ったより順調に春の農作業に進めそうです。
 2月の短信集で平昌五輪が北朝鮮に利用されているようで批判的なことを書いたが、もし北朝鮮の核廃絶が実現すればこんな素晴らしいことはない批判は撤廃したい。                             【 星川 公見 】

   2月14日の197cmをピークにこの冬の雪は収まった感がある。今日15日は高気圧が張り出しているとかで気温16℃まで上がったそうだ。これは5月初旬の陽気だという。この分だと思いのほか雪どけが早まるだろう。
それにしても、この時期が来ると条件反射的に思い出すのは、あの地震、あの津波だ。犠牲者は22000人以上。復興は遅々として進まず、原発事故の影響もあり73000人が今なお避難生活を余儀なくされているとのこと。あの日から7年。「もう7年か、まだ7年か」。
“三寒四温”、冷えと暖かさをくり返して春が近づく。     【 遠藤 敏信 】





新庄発 … 短信集  如 月



2018年2月12日
文責 : 遠藤 敏信

1月29日、新庄市は「豪雪対策本部」を設置しました。設置基準は自治体によって相違あり、新庄の場合は150cm。2月12日朝、積雪深174cm。まだ積もる気配。暮らしは、とどこおることなく、動いています。

   連日の真冬日が立春前に比べ、いくらか寒さは和らいだものの、低温注意報は出っ放し。しかし積雪の方は4年前のような豪雪とはなっていない。とは言え、降った雪はその日のうちに片づけないと後が大変となるため、ほぼ毎日、朝と夕方は除雪作業を行っている。これからはすべてのものが凍てつくような寒さにはならないとは思うが、まだ油断は禁物。
 それにしても、近年世界中で頻発している天変地異。紛争や軍拡競争をしている場合ではないと思うのだが。そして、自国で必要な食料は自国で生産することが、敗戦を経験し、戦後の食糧不足を経験した教訓と考えるが。     【 笹 輝美 】

   新年を迎えたばかりと思っていたら、早いものでもう2月の半ばになっている。ついでに言えば、今年数えで70歳になってしまった。気持ちはまだ若いままなので、心と体のバランスがとれない状態で老人の仲間に。まさに「光陰矢の如し」である。70年を振り返って、日本に限って言えば、人類を長い間苦しめてきた疫病を医学の進歩により、農業技術の改良や、飢饉による飢餓と過酷な労働を、ほぼ克服することが出来た。
 そして何より、戦争や内乱のない平和な時代に生まれ生きることが出来たことに感謝している。                       【 三原 茂夫 】

   新庄も北陸に負けず劣らず10日ほど連続して雪が降り続けた。雪捨て場となっている家の前の堰が、皆一斉に運び入れるので詰まってしまい、水が流れなくなり捨て場に困り果てた。1月上旬、10日くらい降らなかったこともあり倍返しの雪となった。でも、冬至の頃と比べると朝・夕の陽は確実に30分以上長くなった。
人間は勝手なもので、気温が5℃くらいとなり陽の光が明るいと春のきざしかなぁと思ったりするが、また大雪の予報が出ている。       【 今田 多一 】

   立春を過ぎて少しは暖かくなったようだが、雪の降るのは変わらない。湿った重い雪が降るようになった。今年の冬は長くなりそうだ。春が待ち遠しい。平昌冬季五輪も政治色の濃い五輪になってしまいいつもより関心が薄い。やはりオリンピックは純粋なスポーツの祭典の方が良い。早く春が来ねがなー。  【 星川 公見 】

   2月10日、川崎の“こどものいえ・もも保育園”に出向きました。農縁新庄とは15年来のお付き合いで、園児たちの給食用のお米として、無農薬栽培米を5分搗きで届けています。
手前味噌づくりは今回で5年目となります。申し込み者が多い、ということから、今年は2回の教室が組まれました。食に関心を持ってくれる方々が増えることは嬉しいことです。若い母さん方が言うには、「保育園の給食を毎日食べている子供たちの方が、本物の味を知っていて、子供たちから教えられている。」とのことです。こうなると、保育園の姿勢・運営(子供たちの食に対してのこだわり)がいかに素晴らしいことか、改めて知ることになります。“もも”の職員スタッフに、心から感謝申し上げます。
  

                      【 遠藤 信子 】


   遅ればせながら、紹介します。去年3月、“「火喰鳥」― 羽州ぼろ鳶組 ―”、今村翔吾・著 / 祥伝社文庫という小説が発行されています。舞台は江戸、頃は俗的に言えば、田沼意次が幕政を摂っていることから、「剣客商売」の秋山小兵エや「鬼平」の長谷川平蔵の頃か、ちょっと前あたりか。新庄藩の江戸屋敷に属する火消し組の活躍を描いています。で、7月に2作目「夜哭烏」、更に、11月、3作目「九紋龍」が連作として発行されました。京都生まれの若手作家がなぜ、“羽州新庄藩”江戸屋敷詰めの“ぼろ鳶”と呼ばれる火消組をモチーフにしたのか、興味は尽きない。今後の展開が楽しみだ。
                                                 【 遠藤 敏信 】

積もる雪は、音もなく静かに降る 2月12日朝