新庄発 … 短信集 … 水無月

2023年6月15日
文責 : 遠藤 敏信


●今年の田植えは5/22で終えたのだが、それまでは相当気を張っていたのであるが、やはり終わると気が緩む。
 1年間で4日しか使用しない田植え機を洗ったり、代掻きロータを格納したり、育苗箱を納屋の隅へと積み上げたり、様々な雑仕事をこなした。
〇13日、吉野さんよりTELをもらう。故障のため修理に出していたトラクターが戻ってきたので、晴れ間を見て大豆トラスト畑を耕したい、と。生産者全員でまずは種まきを終えたい。
【 今田 多一 】

●数年前に、これが最後の刈り払いと思って作業をした杉林に行ってみたら、背の丈を超える雑木があったのでもう1回刈り払いをするか、現場でしばらく考え迷った。
 杉はすべて父が植えたものだ。中学を出たばかりの私はほんの少し手伝っただけだ。その頃は国を挙げての造林事業が進められていて、里山のほとんどが杉林に代わっていった。
 父は数十年後この杉が大きくなって、売ればまとまった現金が入り、機械を買ったり、家をたてたリ、孫の結婚式の時に役にたつ、とよく言ったものだ。植えた本人は苦労するだけで何の見返りもないが、子や孫のために汗をかくことを惜しまなかった。そういう考え方が当たり前であった。それが現在では、笹さんが短信で何度も嘆いているように、杉の木の価値がなくなってしまった。そういう訳悩むのだ。しかし、父が植え育てた杉林を、たとえこれからも価値がないとしても、荒れた状態にしておくのは申し訳ないというか情けないというか、満身創痍の身であるがしぶしぶ最後の手入れをすることにした。田んぼの価値も最盛期の10分の1に下がってしまった。  ※刈り払い:杉苗を雑草から守るためにする草刈りのこと
【 三原 茂夫 】

●先日、東日本大震災当時、釜石小学校校長だった加藤礼子先生の講演を聞いた。全校生徒184名が一人残らず助かった舞台裏と防災教育の大切さをお話しくださった。
 当時釜石市の小中学生は約3,000人、そのほぼ全員が助かったことから、「釜石の奇跡」と称賛されたのだが、「奇跡ではない、日々の教育と訓練の軌跡」のおかげだったと語った。
 命の大切さと自然の偉大さをしっかりと理解し、地域の人との繋がりを日ごろから大切にして来たからこそなしえたというお話は、見ならなければならない教訓だ。
 さて、この釜石小学校の校歌は、ひょっこりひょうたん島で知られる井上ひさしが作詞したもので、校名も地名も一切出てこない。ただ、そこに「生きる」ことの指針がつづられていて、なんとも素晴らしいので紹介したい。

         釜石小学校校歌
          一、いきいき生きる いきいき生きる ひとりで立ってまっすぐ生きる
     困ったときは目をあげて 星を目あてにまっすぐ生きる
     息あるうちはいきいき生きる

          二、はっきり話す はっきり話す びくびくせずにはっきり話す
                 困ったときはあわてずに 人間についてよく考える
                 考えたならはっきり話す

          三、しっかりつかむ しっかりつかむ まことの知恵をしっかりつかむ
                 困ったときは手を出して ともだちの手をしっかりつかむ
                 手と手をつないでしっかり生きる

【 工藤 恵子 】

●早め早めの作業をこころ掛けてきたはずだが、今、仕事に追われている状態です。ようやく大豆4種類を蒔き終え、今日、無農薬栽培米の「さわのはな」、「つや姫」の中耕除草作業をottotto と交互に行いました。
 コロナ禍前までは今頃は笹巻きづくり指南で、もも保育園に伺っていただろうにな、などと、ちょっと残念に思っています。
【 遠藤 信子 】

●昔親しかった方と急に会いたくなった。消息を尋ねたら、大分前に大病を患ったという。私のことはもう覚えていないかもしれない。どうしたものか悶々としている。
今日、無農薬栽培田の中耕除草を行った。足に痛みを抱える身には大変つらい作業だ。
おっかあが、私も手伝うと言って、田んぼの中を機械とともに歩いてくれた。今、大規模化とともにドローン活用等によるスマート農業が官民挙げて喧伝されている。手間を省き、薬剤等を効率よく処理しようというものだ。中耕除草作業などは真逆の行いである。
【 遠藤 敏信 】


諸物価高騰の折、農縁と提携している“ヤマト運輸”から、6月から運賃の改定(値上げ)の通達がありました。
これを受けて今どうしたものか悩んでいます。
果たして、運賃の上げ分を農縁米および流通米、トラスト米等に反映・転嫁させて良いものか、と。
御理解とご協力をいただきたいと思います。
自助努力だけではいかんともしがたい状態です。


新庄発 … 短信集 … 皐 月

2023年5月15日
文責 : 遠藤 敏信

● 昨年農作業所の階段から飛び降り着地が悪かったのか足を骨折してしまう。最後の米の収穫作業中だった。病院にいくのは歯医者の他には健康診断ぐらいで治療をするような怪我や病気など無かったので自分でも驚いた。2週間の入院だったが入院している間は春になって農作業が出来るか心配だった。退院して冬の間は雪掻きなどできるだけ身体を動かして体力を付けるように心がけていたが農作業が始まり忙しくなってくると自然に身体が動いて普通に作業が出来たので心配するほどでも無かったようだ、良かったことは息子が進んで手伝いをするようになった。
 田んぼの畔の1坪ほどの場所だが日本在来のタンポポが群生しているところがある。在来種のタンポポを見つけるのが大変な時代だその場所は大切にしている。今そのタンポポが満開になっている。
【 星川 広見 】

● 「ゆうきでぇ~す。げんきでぇ~すか」こもったような声で電話がくる。話がはずんでくるといつものように「農水省のバカ役人ども」、「文化庁のアホ、文化の意味もわかっていない」いつもの結城節である。
 意外なことに「地域おこし協力隊」というのは、彼のアドバイスで実現したものであることを知った。「農文協の甲斐さんを通して、総務省の審議官(大臣・次官に次ぐNo.3)が彼の家にやってきたという。
「“緑のふるさと協力隊”というのを実施しているが全く実績が上がらないので何とかならないだろうか」と相談されたという。そのときのアドバイスをもとにしてできたのが「地域おこし協力隊」だという。初年度の応募が50数名だったのが、今は6500名を超えているという。若者の移住・定住に貢献する事業となっている。
 ただ、最近の結城さんも弱気が目立つようになってきた。「俺はよう、今年でもう78歳(S.20年生)になるんで終活をやっているところだ」。最近は一切の原稿執筆と講演を断っているのだが、最後に新庄・最上の方々に語り伝えたいことがあるという。1960年(15歳)に、新庄にあった農村工業指導所(雪調の後身)で、ホームスパン(羊毛加工科)の研修生となり、1年間寄宿舎にすみこんで羊の糸つむぎをしたという。このことが彼の原点になっているということは何度も聞いている。
 以前、ネットワーク農縁の主催で「雪調に学ぶ」講座を開催した。2010年~2017年まで8回行い、結城さんをメイン講師として雪国東北の暮らしについて語っていただいた。折角の要望なので実現してはどうだろうか。私案なのだが3回シリーズにして、
 ①ひとつの東北、ひとつひとつの東北/②東北は手仕事の国である/③東北―その先へー
 農縁の主催として、「雪調の会」や「農家のつくえ」、「キトキトマルシェ」の若手メンバーに声がけしたいと思うのだがどうだろうか。
※「結城登美雄」山形県大江町生まれ、仙台市在住。「民俗研究家」               Sumiyakisut Q  【 佐藤 恵一 】

● 今、代掻耀き真っ最中である。1日中トラクターに乗っているとくたびれるが、まわりの景色を眺めると新緑がより濃くなっていくのが、はっきりわかる。特に早い人は田植えを始めた人もいるが、私は20日頃からを予定している。一部苗の発芽が不ぞろいのところもあったが持ち直したみたいだ。田植えの時分は晴れであってほしい。                               【 今田 多一 】

● 私にとってー  ○冬の間は天国。雪が解けて春になると地獄だ。とは言え、5月に入ると新緑が一気に山の峰を駆け上り、あっという間に頂上にたどり着く。青い空に山の新緑が美しい。同じように月山や鳥海山の残雪も一番美しい時期だ。
 ○春の統一選で、新庄市では議員の半数近くが新人に変わった。全国的に地方議員のなり手がない中で、これだけ手を挙げる人が多いことは新庄市の未来はまだ明るいということか … ?
 ○ 先月の工藤さんの文章を読み、親の最後の願いを親族の反対があったとしても叶えてやるのがそのひとにとって一番の供養になるのではないか。それをするのが息子ではないだろうかと私は思った。
【 三原 茂夫 】

● 5月に入っても高温傾向が続き、苗の生育に尻を叩かれながらの作業が続いている。水を張った田圃では夕方になるとカエルのすざましいばかりの大合唱。都会ならば騒音として問題となるかもしれないが、農村では風物詩のひとつという事か。
 屋敷の晩生の桜も散り、例年より一足早く木々の緑の美しい季節となった。木といえば、木材価格が上昇し、以前の1.7倍以上との事。しかし立木に関しては何ら変わらず伐採の現場では運搬用の大型車1台まとまらなければ採算が取れないとして、それに満たない林には手をつけない。しかも本当に良いものしか用材用とはせず、あとは地元企業が経営するバイオマス発電所に運び込むだけ、と。そんな風で、今平地や里山の杉林が伐採されている。このままではいずれ、伐採可能な林地は尽きてしまうであろう。バイオマス発電も今迄の蓄積といってもよい林を食いつぶすだけなら、環境問題の解決とは逆行するものではないのか。
 又、製材所に入った原木、以前は職人が一本一本の性質・クセを見てそれ等を活用するように用途を決め最大限、良品、数量を取れるよう製材したものだが、今はコンピューター制御で人手要らずで希望の製品をいかに早く仕上げるかに尽きるとの事。SDGs的には、どちらが良いのであろうか ?  
【 笹 輝美 】

● 今回は短信ならぬ長文が多いため、活字ポイントを小さくした。ご容赦下さい。
 4/25早朝霜が降り、車の窓ガラスが白くなっていた。外に出していたプール育苗の水が凍っていた。日中晴れた。やがて苗の葉っぱが細く立ってきて、緑を失い枯れ始めた。 昨年4/30の朝、3cmほどの積雪があったが苗はそれに耐えた。高温には弱いが低温には強いと思っていたが限度がある。水が凍るほどの氷点下には耐えられなかったようだ。播き直しを考えたが、暫く様子を見ることにした。水をだっぷりと張り、がまんして見続けた。外のプール枠に出していた約1000枚の苗は、第1葉目は枯れたが、第2葉目が生きていた。10日程の遅れるものの回復した。生命力を感じた。
【 遠藤 敏信 】
              
月山遠望