新庄発 … 短信集 … 文 月

2022年7月15日
文責 : 遠藤 敏信


7/3(日)、早朝から村総出の草刈り作業があった。3班に分けて基幹用排水路周辺の一斉清掃作業である。
 私が担当したのはため池周辺の草刈りであった。昨年までは農地・水・環境保全事業の役員が作業に当たっていたが、皆、寄る年波で今年から村総出での作業となった。ため池は大きな堤防になっていて、法面が急で草も大きく伸びている。加えて足場も悪く、大変やりづらく危険な草刈りであった。作業を終え、一服の缶ジュースが身に沁みた。あと何年この作業に携わることが出来るのだろうか、という話になった。
【 今田 多一 】

 〇テレビを見ていたら安倍首相が撃たれて死亡したということが報道されていた。現場近くの献花台に向かって長い行列が続き、中には泣きながら手を合わせる人がいるのを見て、こんなに慕われていたのかと驚いた どういう訳か私は最初から最後まで好きになれなかった。鼻持ちならないというか、国民のためというより自分がやりたいことを優先する姿勢に、国を危険にさらす存在だと思っていた。外交だって私には国の金を使っての豪華版世界旅行をしているとしか映らなかった。
 安倍一強と言われ、得意の絶頂期には顔を見るのもイヤになりチャンネルをかえたものだ。あれだけ長く首相の座にいたにも関わらず、その影響力を保つために派閥の長になり発言し続けた。取り巻きの議員たちは安倍氏の遺志を継いでゆくと語り、それは何かに憑かれたような異様な光景に見えた。
 〇それにしても、日本人はどうしてこんなにも自民党が好きなんだろうか。
【 三原 茂夫 】

 過去に例のない早い梅雨明けとその後の猛暑、そんな中田んぼに入り腰を曲げ、地球の表面をコチョコチョやり続ける事10日間、見かねたわが家のプーチンも4日間手伝ってくれたが、後が怖い。そんなこんなで今年も何とか草取りを終すことが出来たが来年はどうか?心配になってくる。
 友人の細君が昭和初頭に開拓した集落の一人のお婆さんのヘルパーとして働いている。その婆さんは自分の歩んできた昔の事をよく話してくれるという。その中で技術指導で村に来た人が「百姓は人に非ず」といった言葉が「口惜しくて今も忘れられない」と語ってくれたことが「胸に突き刺さった」と話していた。
 又、地域起こしの仕掛け人として精力的に活動してこられたY先生曰く「経済界・役人・政治家等の農業農民を見る目は、考古学で古代の遺跡を見る目と変わらない」 と憤慨していたが、「今も昔も変わらないんだな」と改めて思ってしまった。
 端的に言えば、百姓・農業とは無知無能な人間のやるもので、重労働も貧しいのも当然である、と。そんな連中に百姓のかたわら物書きとしての作品の中で裏面からカミついていた佐賀の農民作家・山下惣一さんが亡くなられ、私達としても寂しさは隠しきれない。
 日本人は働きすぎと言われて久しいが、今では「勤勉でなくなった日本人」という言葉が出てきている。私の通っている整体師の先生が「体を触ると百姓の体は変形と傷みですぐわかる」と話している。
 今ここにきて、農業経営体及び就業人口が加速度的に減少している。山下さん流に言えば、それは百姓の責任ではない。
 今日は冬に備え、薪をチェンソーで40cmほどに切断する作業を行った。木を育て自然のサイクルの中で暮らす。 
【 笹 輝美 】

 6月29日、山形県を含む東北南部の梅雨が明けたと報じられた。平年より25日、去年より17日早く、6月中の梅雨明けは昭和26年の観測開始以来初めてだという。
 この一月、2回目の畔草刈り、2回の中耕除草、田んぼの溝きり、穂肥の追肥、と作業が切れ目なく続いたことで足がガタガタだ。もっとも自信のあったものが、もっとも不安を抱える部位になってしまったことにつくづく驚く。少し、休みたい。 
【 遠藤 敏信 】







大豆トラストに中耕を施した 写真は吉野さん