新庄発 … 短信集 如月(きさらぎ)

2020年2月15日
文責 : 遠藤 敏信

― 何か変! 立春過ぎて、冬が来た ―

●8日、川崎のもも保育園(18年来のおつき合い)の“味噌づくり教室”に伺ってきました。冬の行事として恒例化していることなので、園の厨房スタッフの方々で指導可能なんでしょうが、百姓の母ちゃんにお声がかかることは嬉しいことです。今回は、園児と親という設定の他に、園職員を対象にした2部構成でした。熟成が進み、秋口にはおいしい味噌が出来上がると思います。楽しみですね。
【 遠藤 信子 】

●雪が降らないので、年に2〜3回はしていた屋根の雪下ろしも除雪もすることがなく、朝から本読みをして飽きると録画していた番組をテレビで見る。この繰り返しで一日があっと言う間に終わる。働きに出ていた時には時間が過ぎるのはとても遅く感じられたものだが … 。
 澤田ふじ子さんの本を読んでいたら「知性・品性・教養、この三つを備えない人が権力・財力を持つといつの時代でもとんでもない事をしでかしてしまう。」という言葉に出合う。私がいつも安倍首相やトランプ大統領に感じていたのはこれだったのだ。あの二人(他にもいるのだが)の言動には全くそのかけらも無い。あのような人達が国のトップにいることが、どう考えても納得がいかない。
 ネットワーク農縁にも関係があった新潟県在住の医師・石井仁平さんから、コロナウイルスに対しての助言がありました。予防には今のところ免疫力を強めることしか方法がなく、ビタミンDが必要なのだが食物から必要量を摂るのは実際難しく、サプリメントが有効との事。薬局で売っている「カワイ肝油ドロップS」を毎日2粒とるとOKとのことでした。
【 三原 茂夫 】

●テレビでは新型コロナウイルスの感染状況を毎日、報道し続けている。
ネットワーク農縁でも馴染の天笠佳祐さん(遺伝子組み換えいらないキャンペーン・代表)は、人間と動物の感染症を招いているものは、
  ⦿ グローバル化(貿易の自由化・促進)
  ⦿ 地球的規模での環境破壊
  ⦿ 畜産の大規模化、生産の効率化
  ⦿ バイオテクノロジーの応用の拡大    などがあると言う。
現代社会が経済を最優先し、よりグローバル化を推し進める以上、拡大を止めることも出来なく、新たな新型ウイルスも発生すると指摘する。
【 今田 多一 】

●2020年もアッという間に立春を過ぎてしまった。この寒くない雪無しの冬がこれからの天変地異の前兆でなければ、と案じながらビニールハウスにこもっている。たまに外で出会う他の集落の人たちとの話題は決まって人口減少、空き家、一人暮らしの増加、子供が極めて少ないという暗い話ばかり。此の頃思うのだが、これは「戦後政治の行き着いた姿なのではないかと」
 国の機関の中には人口調査の部署もある訳で人口動向を予測してきた筈なのだが、抜本的な施策を講ずる事もなく、ただ低賃金労働者の供給にしか目を向けてこない権力の無責任ぶりの証と言えよう。権力を持つ者には利権しか見えないと思えるような事が余りにも起き過ぎている。であるから、権力とはさようにおいしい物なのであろう。 
【 笹 輝美 】

●どうでもよいような事がぐるぐる頭を巡る。どうでもよい事を、ままに綴る。
新庄の積雪深のもっとも少なかったのは、1971年から72年にかけての冬で、札幌冬季オリンピック(昭和47年)の行われた年である。記録(気象庁新庄測候所・当時)によると49cmだった。さて、記憶では最小積雪年度と思われたこの冬の積雪はというと、暮の12月6日が最大で62cm、その後だんだん0に近づき、立春を過ぎて寒波が到来、2月8日で46cm、2月13日時点で30cm(雪氷防災センター)ということだ。観測史上2番目の小雪年。記憶がなかったというのは、まだ農業に従事していなかったからかもしれない。
 今村祥吾は多作だ。先日新刊が出た。くらまし屋稼業シリーズの6作目。表は善良な飴売り浪人が、今の境遇からあらゆる手段を講じて晦ますことを裏の生業とする。そこに様々な妨害とか、炙(あぶ)り屋などという裏業の者まで登場し、人間関係が複雑に錯綜する。それぞれに業と欲と矜持と掟があり、ぼろ鳶シリーズとはまた趣の違う人間模様が描かれている。この頃、とみに涙もろくなってきた。
 それにしても、安倍首相は桜を観る会の参加者を「募ったけれども、募集はしていない」と述べたが、こういう詭弁がまかり通っていい筈がない。
 【 遠藤 敏信 】



大寒


21日、久しぶりに積雪があり、ほとんど消えかけた田畑が再び白くおおわれました。10cmほどの軽い雪で、歩くのに抵抗がないためリハビリがてら、散歩を試みました。
踏み跡のない雪野原に足跡が残り、気持の良いひと時を過ごした、という満足感が残りました。

それにしても、この冬の雪の少なさは異常(今のところ)です。まさに記録的な暖冬と云えます。除排雪に費やす労がなく過しやすいのですが、その反動の方が心配です。
雪が降って当たり前の風土に降らないことは好ましいことではありません。ほどほどに降ってほしいものです。

インフルエンザが流行っているとの事、気をつけてお過ごし下さい。
1月23日 遠藤 敏信

新庄発 … 短信集  睦 月

2020年1月15日
文責:遠藤 敏信

よい年になりますことを 祈ります。今年も宜しくおつき合い下さい。

● 1月4日、年始回りの途中、山形放送のラジオでMCのドンキーさんが、去年殺害された 中村哲さん のことを話していた。「アフガニスタンでは大統領が日本へ向かう中村さんの棺をかついで、今までの活動に対して最大限の敬意・哀悼の意を表した。それを迎える日本の空港では、日本の政府関係者は唯の一人もいなかった」と。「これが日本の姿なのか」と。
 去年の12月、収穫感謝祭を終え、帰りの列車の中でこれとまったく同じようなことを、笹さんが怒りながら話したのを思い出した。親類の家で世間話をしていたら、普段政治的な話をしない奥さんが、「トランプはひどい。イランの司令官を殺すなんて。これで戦争になったらどうするの!アメリカは爆弾で壊すことばかり。人命なんて何も考えてない。中村さんのように井戸を掘り、用水路を作って人々を助けたことがあるのか!中村さんの爪のアカでも飲ませたい」と一気にまくしたてたという。今まで見たことのない奥さんの怒りには圧倒された、と。ガキ大将のようにふるまうトランプの周りは、皆イエスマンばかりだ。私は届かない文句を言いながらテレビを見ているしかない。新年早々、重苦しいスタートだ。   
【 三原 茂夫 】

● 正月に道路が乾いている年が今まで何度かあったことは記憶しているが、1月中旬になっても田んぼの稲株がはっきり見えていることなどは初めてだ。本当に雪がない。そんな中、新しく音声をはっきり、画面もくっきりの4Kデジタルマスター版の映画「東京裁判」を見に行った。この裁判で戦犯被告28人全員、無罪を主張する。その中に、新庄ゆかりの小磯国昭がいる。父親が新庄出身である。7人が絞首刑、小磯ら18人が終身刑、2人が裁判中死亡、1人が梅毒による精神疾患で免訴。
 以前から言われていることと思うが、天皇を米国の強い思惑などで免訴し、日本自身で裁けず、戦勝国が敗戦国を裁くことでしか精算できなかったのだ。
 自衛のための戦争だったとか、アジアを開放するためだったなどと一部で加害の反省のない声が大きくなっているのでは!休憩をはさみ、約5時間の映画は「ニッポン国古屋敷村」以来だった。               
【 今田 多一 】

● もう1月も中旬になるがほとんど雪が無い。元日に降った雪も融けて無くなっていく。暖かく雪の少ない冬は記憶にないと村の年寄りも言っている。私もこんな冬は初めてだ。いつもの冬と比べると楽で過しやすいのだが、春、山に降った雪融け水を田んぼに張るのだがその水が足りるかどうか。田植えの大事な時の天候はどうなるのだろうかと気になる。山形特産のさくらんぼは気温が高くて休眠が遅くなり開花が遅れるようだ。開花が遅れると収穫も遅れ収量も少なくなる。暖冬の弊害もありそうだ。                        
【 星川 公見 】

● 新年おめでとうございます。とは言っても私自身、新年だからと言って特別目出たさを感じない此の頃である。明日は大寒、例年なら物は皆凍てつき、連日除排雪に追われている筈が、此の冬は雪が降らないばかりか寒くないのだ。記憶をたぐり寄せてみてもこのような事は無かった。吹雪の中、除排雪に汗を流す必要が無いのだからすこぶる楽ではある。しかし、その反動、お返しは何らかの形で必ず現れるのが常であり、今迄にない不気味さを感じている。
   冬期間気温が高いと作物によっては休眠不足で、生育不良や開花の遅れ等の障害
  が発生するものもある。私がほんの少し行っているウルイでも加温しても発芽不良
  を呈している。今年こそは天候も詐欺や賄賂、財力の横暴がまかり通る社会ではな
  く、日々おだやかに過ごせるよう願うばかりである。       
【 笹 輝美 】

● ひょんなことから、工学院大学に所蔵されている「今和次郎コレクション」の一部2000冊余りの書籍が新庄市に移管(寄託)になった。私から見れば、今和次郎
(こんわじろう・1888?1973・考現学の創始者)という人は、奇人・変人である。
変さ加減がハンパでないので、一般市民に理解してもらうには、とてもむずかしい。
りくつではなく皮膚感覚が必要かもしれない。
身近に接した栄久庵憲司(えくあんけんじ・1929?2015・工業デザイナー)は、
「今先生という存在は、非常にわかりやすい謎である。広大無辺、妙にして用を得た学風、つまり人間学に尽きる。」と書いている。ジル・ドゥルーズ(1925?1995・アンチ構造かも?)という泥沼は私を窒息させるが、今和次郎という泥沼は私をここちよくしてくれる。
 今年の一年も又、この二人からはじまる。     スミヤキストQ 
【 佐藤 恵一 】

● 新庄は雪が降って当たり前の風土。それが今、ほとんどない冬となっている。
友人が、家の畑の脇にふきのとうが出てきた、と云うので、半信半疑で出かけた。何と、芽吹いているではないか。数株摘んでもらい“ふきのとう味噌”にして食べた。ほろ苦く、うまい。が、本来4月初中旬、春の到来を喜んでいただくものだと気づく。まだ正月半ば、寒中に味わったからと言って、嬉しいことではない。
 何年かぶりに、映画館に行った。「男はつらいよ」50- 帰ってきたトラさん―
ポスターがいい。キャッチコピーも実にいい。「ただいま。この一言のために、旅に出る」画面に見入り思わず吹き出し、そして涙がこぼれた。いい時間を過した。
【 遠藤 敏信 】
生産者一同からのお願い

◎ いつもネットワーク農縁の活動を応援いただきありがとうございます。
本年も引き続き、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 さて、お米等の発送手段として利用してきた「クロネコヤマト」が昨年7月に
料金改定(値上げ)し、加えて10月からは消費税増税分が上乗せされました。
 これまで、皆さまに負担していただく送料を据え置き、生産者が値上がり差額分の対応をそれぞれ行ってきましたが、これが大きな負担となり維持継続が難しい状況になっています。
 ヤマト運輸だけでなく佐川急便や日本郵便(ゆうパック)の利用や簡易包装(箱なし)での発送等、輸送コストの負担軽減について様々な検討を行いましたが、何よりも安心・安全でおいしいお米をお届けできることが一番大事だと考え、やむをえず2月の発送分より、若干の送料値上げをお願いすることとなりました。
 日頃よりお米をご愛顧いただいている皆さまに大変心苦しいお願いではございますが、ご理解・ご協力いただきますようお願い申し上げます。
新庄事務局 【 工藤 恵子 】


● 温暖な冬です。一時は50cm位の積雪に「根雪になるのか?」と思ったのですが、それもすっきりと消え、二次三次と降るのですがやがては消えての繰り返しです。自分的には、厳しい冬を望むのですが、一年でもっとも寒い時期になります。この暖かさにいつの時期に冷えが出てくるのか、四季の乱れを心配しているのです。
みなさんには昨年お送りいたしました新米を見てお気づきになられた方も多かったと思います。米粒の黒い斑点・カメムシによる食害の痕です。昨年は特に多く発生しました。忌避剤での予防撒布を何回か行いましたが、防ぎきれませんでした。
心苦しく思いながらもお送りしていますお米の中にもあるのです。勝手を言って申し訳ありませんが、どうぞご了承くださいますようお願い申し上げます。

 この温暖な冬は抑制することなく多くの害虫を越冬させ用意させてしまうようです。今年も温暖化は四季を狂わせ、弊害の多い年になるかと心配しております。
どうかどうか、安定した四季を過せますようにと新年の初めの願掛けです。
みなさんにとってもよい年でありますよう、お祈り申し上げます。               
農縁代表 【 高橋 保広 】