新庄発 … 短信集  睦 月

2020年1月15日
文責:遠藤 敏信

よい年になりますことを 祈ります。今年も宜しくおつき合い下さい。

● 1月4日、年始回りの途中、山形放送のラジオでMCのドンキーさんが、去年殺害された 中村哲さん のことを話していた。「アフガニスタンでは大統領が日本へ向かう中村さんの棺をかついで、今までの活動に対して最大限の敬意・哀悼の意を表した。それを迎える日本の空港では、日本の政府関係者は唯の一人もいなかった」と。「これが日本の姿なのか」と。
 去年の12月、収穫感謝祭を終え、帰りの列車の中でこれとまったく同じようなことを、笹さんが怒りながら話したのを思い出した。親類の家で世間話をしていたら、普段政治的な話をしない奥さんが、「トランプはひどい。イランの司令官を殺すなんて。これで戦争になったらどうするの!アメリカは爆弾で壊すことばかり。人命なんて何も考えてない。中村さんのように井戸を掘り、用水路を作って人々を助けたことがあるのか!中村さんの爪のアカでも飲ませたい」と一気にまくしたてたという。今まで見たことのない奥さんの怒りには圧倒された、と。ガキ大将のようにふるまうトランプの周りは、皆イエスマンばかりだ。私は届かない文句を言いながらテレビを見ているしかない。新年早々、重苦しいスタートだ。   
【 三原 茂夫 】

● 正月に道路が乾いている年が今まで何度かあったことは記憶しているが、1月中旬になっても田んぼの稲株がはっきり見えていることなどは初めてだ。本当に雪がない。そんな中、新しく音声をはっきり、画面もくっきりの4Kデジタルマスター版の映画「東京裁判」を見に行った。この裁判で戦犯被告28人全員、無罪を主張する。その中に、新庄ゆかりの小磯国昭がいる。父親が新庄出身である。7人が絞首刑、小磯ら18人が終身刑、2人が裁判中死亡、1人が梅毒による精神疾患で免訴。
 以前から言われていることと思うが、天皇を米国の強い思惑などで免訴し、日本自身で裁けず、戦勝国が敗戦国を裁くことでしか精算できなかったのだ。
 自衛のための戦争だったとか、アジアを開放するためだったなどと一部で加害の反省のない声が大きくなっているのでは!休憩をはさみ、約5時間の映画は「ニッポン国古屋敷村」以来だった。               
【 今田 多一 】

● もう1月も中旬になるがほとんど雪が無い。元日に降った雪も融けて無くなっていく。暖かく雪の少ない冬は記憶にないと村の年寄りも言っている。私もこんな冬は初めてだ。いつもの冬と比べると楽で過しやすいのだが、春、山に降った雪融け水を田んぼに張るのだがその水が足りるかどうか。田植えの大事な時の天候はどうなるのだろうかと気になる。山形特産のさくらんぼは気温が高くて休眠が遅くなり開花が遅れるようだ。開花が遅れると収穫も遅れ収量も少なくなる。暖冬の弊害もありそうだ。                        
【 星川 公見 】

● 新年おめでとうございます。とは言っても私自身、新年だからと言って特別目出たさを感じない此の頃である。明日は大寒、例年なら物は皆凍てつき、連日除排雪に追われている筈が、此の冬は雪が降らないばかりか寒くないのだ。記憶をたぐり寄せてみてもこのような事は無かった。吹雪の中、除排雪に汗を流す必要が無いのだからすこぶる楽ではある。しかし、その反動、お返しは何らかの形で必ず現れるのが常であり、今迄にない不気味さを感じている。
   冬期間気温が高いと作物によっては休眠不足で、生育不良や開花の遅れ等の障害
  が発生するものもある。私がほんの少し行っているウルイでも加温しても発芽不良
  を呈している。今年こそは天候も詐欺や賄賂、財力の横暴がまかり通る社会ではな
  く、日々おだやかに過ごせるよう願うばかりである。       
【 笹 輝美 】

● ひょんなことから、工学院大学に所蔵されている「今和次郎コレクション」の一部2000冊余りの書籍が新庄市に移管(寄託)になった。私から見れば、今和次郎
(こんわじろう・1888?1973・考現学の創始者)という人は、奇人・変人である。
変さ加減がハンパでないので、一般市民に理解してもらうには、とてもむずかしい。
りくつではなく皮膚感覚が必要かもしれない。
身近に接した栄久庵憲司(えくあんけんじ・1929?2015・工業デザイナー)は、
「今先生という存在は、非常にわかりやすい謎である。広大無辺、妙にして用を得た学風、つまり人間学に尽きる。」と書いている。ジル・ドゥルーズ(1925?1995・アンチ構造かも?)という泥沼は私を窒息させるが、今和次郎という泥沼は私をここちよくしてくれる。
 今年の一年も又、この二人からはじまる。     スミヤキストQ 
【 佐藤 恵一 】

● 新庄は雪が降って当たり前の風土。それが今、ほとんどない冬となっている。
友人が、家の畑の脇にふきのとうが出てきた、と云うので、半信半疑で出かけた。何と、芽吹いているではないか。数株摘んでもらい“ふきのとう味噌”にして食べた。ほろ苦く、うまい。が、本来4月初中旬、春の到来を喜んでいただくものだと気づく。まだ正月半ば、寒中に味わったからと言って、嬉しいことではない。
 何年かぶりに、映画館に行った。「男はつらいよ」50- 帰ってきたトラさん―
ポスターがいい。キャッチコピーも実にいい。「ただいま。この一言のために、旅に出る」画面に見入り思わず吹き出し、そして涙がこぼれた。いい時間を過した。
【 遠藤 敏信 】
生産者一同からのお願い

◎ いつもネットワーク農縁の活動を応援いただきありがとうございます。
本年も引き続き、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 さて、お米等の発送手段として利用してきた「クロネコヤマト」が昨年7月に
料金改定(値上げ)し、加えて10月からは消費税増税分が上乗せされました。
 これまで、皆さまに負担していただく送料を据え置き、生産者が値上がり差額分の対応をそれぞれ行ってきましたが、これが大きな負担となり維持継続が難しい状況になっています。
 ヤマト運輸だけでなく佐川急便や日本郵便(ゆうパック)の利用や簡易包装(箱なし)での発送等、輸送コストの負担軽減について様々な検討を行いましたが、何よりも安心・安全でおいしいお米をお届けできることが一番大事だと考え、やむをえず2月の発送分より、若干の送料値上げをお願いすることとなりました。
 日頃よりお米をご愛顧いただいている皆さまに大変心苦しいお願いではございますが、ご理解・ご協力いただきますようお願い申し上げます。
新庄事務局 【 工藤 恵子 】


● 温暖な冬です。一時は50cm位の積雪に「根雪になるのか?」と思ったのですが、それもすっきりと消え、二次三次と降るのですがやがては消えての繰り返しです。自分的には、厳しい冬を望むのですが、一年でもっとも寒い時期になります。この暖かさにいつの時期に冷えが出てくるのか、四季の乱れを心配しているのです。
みなさんには昨年お送りいたしました新米を見てお気づきになられた方も多かったと思います。米粒の黒い斑点・カメムシによる食害の痕です。昨年は特に多く発生しました。忌避剤での予防撒布を何回か行いましたが、防ぎきれませんでした。
心苦しく思いながらもお送りしていますお米の中にもあるのです。勝手を言って申し訳ありませんが、どうぞご了承くださいますようお願い申し上げます。

 この温暖な冬は抑制することなく多くの害虫を越冬させ用意させてしまうようです。今年も温暖化は四季を狂わせ、弊害の多い年になるかと心配しております。
どうかどうか、安定した四季を過せますようにと新年の初めの願掛けです。
みなさんにとってもよい年でありますよう、お祈り申し上げます。               
農縁代表 【 高橋 保広 】


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