2021年5月15日
文責 : 遠藤 敏信
新庄でも早い人は田植えに入ったようだ。私らはというと、代掻き作業
の真っただ中。野良はこの時期、農作業での往来が最も活発だ
●新庄は山麓に淡い山桜が咲き、同じくして若葉の緑が山を覆うようになってきた。
毎年この時期に見せる自然の美しさだ。
さて人間の世界では、去年から新型コロナの影響が全世界を灰色に覆っている。東日本大震災復興の証としての東京オリンピック(安倍前首相)や、人類がコロナに勝った証としてのオリンピック(現首相)と言い続けても、どこかむなしい。
そもそも巨額なワイロまがいの運動資金に国税を使い、オリンピックを招致することに何の意味があるというのだ。
瀬戸内寂聴さんが言っていたように「震災の復興が始まったばかりで、福島の原発事故はいつ収束するのか、そのめどさえついていない時に日本でオリンピックだなんて金の亡者、正気の沙汰ではない」の言葉がよみがえる。
今月が一年で一番忙しい季節だ。……… ここまで書いて、前に同じようなことを書いたような気がしてきました。どうですか、どうも記憶があやふやだ。
【 三原 茂夫 】
●3月はバカ陽気、4月は日照は多かったものの低温で連日霜注意報が出た。ゴールデンウィークに入るや毎日雨。畑を耕すことや畝立て作業ができず予定が狂ってゆく。それでも田起しや代掻きは雨でも大丈夫。カッパを着て震えながらの作業は昔の話、今のトラクターはエアコン、ヒーター付きで車と同じ。昔からみれば隋分と楽になったものだが、それでも若い人は農業に就かないのだ。
先月の新聞に子ども食堂でコロナ禍の為、食事が提供できない事が取り上げられていた。私達も子ども食堂には、自分たちがやれる事は協力したいと思ってはいる。が、そもそも「子供食堂が必要な社会になったのは何故か? 又、誰がそうしたのか?」と考えずにはいられない。非正規労働者をはじめ民衆が呻吟し続ける現代社会において、富豪と言われる人達の資産は1.5倍に膨れ上がっているとか(某新聞)。これが美しい国ということなのであろう。
私はと言えば田畑で美しい周囲の山々と風景を楽しみながら、クレイジーキャッツの「実年行進曲」を大声で歌いながら農作業に取り組んでいます。豊穣を願いつつ……。
【 笹 輝美 】
●只今代掻き真っ最中である。一日中トラクターに乗りっぱなしは年のせいもあるが、やはりくたびれる。でも村は田植えが終わるまで皆忙しく動き回る。一転、田植えが終わると田んぼは静かになり、人影も少なくなる。
【 今田 多一 】
●田植えを前におっとっとは代掻き、私は息子と畔の草刈りをしています。近年除草剤を使う方が年々増えてきました。機械を背負っての草刈り作業を私は嫌いではない。肩が凝り腿が筋肉痛になろうとも、汗を出す外での野良仕事は心地よい。
【 遠藤 信子 】
●新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない。昨年から一年余、毎日のニュースのトップが感染者数の動向であり、収束に向けての動きの鈍さが指摘される。
つい最近、旧知の大先輩が電話をくれた。学生運動に没頭し、教職に就けなかった過去を持つも、県の消費生活団体のトップを担った。「時代の混迷に今の学生は、若い人たちは何故ジッとし、声を上げないのだろうか。」と言う。確かにそうだ。
晴れた日は雪を頂く月山、鳥海山の稜線が空の青との美しい際立ちを見せる。
この季節になると、決まってクシャミを連発する。昔、あまりのことに耳鼻科を受診したことがあった。結果はアレルギー性鼻炎(花粉症)とのことだった。一般的に多いスギ花粉に私は反応しない。ブタクサやカモガヤなどの雑草に弱いのだ。加えて、イネの花粉にも反応した。減感治療を受けたが半年ほどしか続かなかった。
雑草に囲まれ生きる職業なのに、鼻水をたれ涙するなんて「そもそも俺は百姓には向いていなかったんじゃないか」などと、とんでもないことを思ったものだ。
木々の葉っぱが拡がり、山肌が段々色づき、膨らむ。春の躍動が目前に展開する。
【 遠藤 敏信 】