新庄発 … 短信集 … 弥 生

 2023年3月15日
文責 : 遠藤 敏信


● この冬も過ぎてみればアッという間だった! 去年の12月は1日で40cmも降り続け、こんな調子が続けば相当の積雪量になると、先を心配したものだ。
 1月、雨が降ったり又、低温・寒波はあったが連続した降雪はそれほどでもなかった。2月の降雪も平年より少なかった気がした。
例年必ずある雪の揺り戻しもなかった気がする。それでも家の前の田んぼにはまだ50cmの雪が残る。でも確実に春の光である。
【 今田 多一 】

● 作家や学者の多くが死後思い出の詰まった蔵書の行く末を心配しているのに、立花隆さんは遺言できれいサッパリ1冊の本も残さず古本屋へ売り払うように書いた。そして実行された。「知の巨人」と言われた人の数万から数十万冊の、空っぽになった本棚が映し出された。
 私はとてもこの人のようにはなれない。とは言え、これくらいは見栄で揃えておきたい、いつかは読めそうだと思って買った本や、いつかは高く売れそうだと仕入れたり、知人・友人からもらったりした本が本棚に並びきれず、ダンボール箱に詰めて重ねて、それが倉の入口にまできてしまった。残りの寿命も少なくなってきたことだし、そろそろ何とかしなくてはと … 。
 本をゴミにしないイイ解決策はないのだろうか。
【 三原 茂夫 】

● 農縁のフェイスブック担当者から本の写真とメッセージが送られてきた。
鈴木宜弘(のぶひろ)・署「農業消滅」(平凡社新書)を読んでいます。暗澹たる気持ちになります。」に対して、私の返信。「農地は残すが、農民はいらないという政策です。これが資本の意志と言われるものです」
に対して「本当にひどい状態ですね。そしてそれがほとんど国民に知られていないのが、もっとも大きな問題だと思います。伝えていかねば」
 というのが、やりとりの内容。
 資本というバケモノが、口から赤い血を滴らせながら、労働者・農民を丸ごと喰い尽くしているというのが現状です。「SDGs」などというユダヤ資本の陰謀に騙されてはいけません。諸悪の根源は資本主義にあります。今からでも遅くはありません。資本主義を足元から掘りくずす運動を …。「希望を失うな、希望を育てよ」
【 佐藤 恵一 】

● 東京は待ちに待った桜の開花ですか。こちらは田んぼも畑も雪に覆われ、春まだ遠い冬景色ですよ。今の作業工程は、今年植え付ける種籾を雪を入れた水槽に水漬けして13日目になりました。この工程は4/10日ころまで続けます。
 種籾の芽は水温5℃以上の毎日の累積で100℃以上になりますと、籾は自然に芽生え始めるのです。その芽の動きを止める為に雪を入れて冷水にするため、雪を利用するのです。そして、長時間の水漬けを可能にするのでより自然界に近い条件を与える事で、種の持つ発芽阻害要素を取り除くのです。籾は何百年も前の籾が発見され、発芽実験され芽が出ているのです。そんな阻害要素をもって生存しているのです。
 これから田んぼに植えられ、育つであろう種籾により試練を、と想えての作業工程なのです。
  いくらかでもこれからの気候変動に対応できる種に育って、と願うのですが、みなさんも一緒になってガンバレと支援を送ってくださいネ。
【 高橋 保広 】

● 14日、「つや姫、雪若丸」栽培講習会に行く。日本穀物協会の食味ランキングで、山形県では“つや姫”が上場以来13年、“雪若丸”が6年連続特A評価を得ている。両銘柄とも栽培圃場が特定され、種もみは知事名により、面積に応じて供給される仕組みができている。
加えて、“つや姫”の場合、特別栽培がスタンダードで化学肥料・農薬の使用が地域通常の50%以下に制限され、さらに収穫後のたんぱく質含量のチエックがある。基準より数値が高いと評価ランクが下がる。食味と品質を維持するためだ。そのほか、余った苗の処分方法、使用資材、栽培管理等の報告義務があるため、厄介で返上したいという農家がある反面、作付けしたい、面積を増やしたいと希望する農家がいるものの要件は厳しい。
今年私は息子に代わり、つや姫は160a(内、有機栽培30a)、雪若丸は210a、他(ヒメノモチ、あきたこまち、有機さわのはな、はえぬき)は740aの作付け予定だ。

講習会に≒70名の方々がいた。(山形県最上総合支庁)

 過日、三原さん、今田君と「百姓の百の声」というドキュメンタリー映画を見た。
 先月、舞台挨拶付きのこの映画があった際、行きそこなったのでもうダメかなと思っていたら、なんと別の映画館で上映するとのことではないか。かつて、ドキュメンタリーは自主上映と相場が決まっていた。いま、劇場で映され、観客も多い。
 狭い日本、でもそこに住む人の知恵と工夫する力は、限りなく広く大きいと改めて知る。「農の世界は、近くで遠い」「近いけれども遠い」だったかな…、というテロップがエンドロールの前に映ったが、農・百姓にのめりこむ人間は多くが哲学を持っているように思う。

さて、種もみが届いた。農の準備作業が始まる。
【 遠藤 敏信 】

0 件のコメント:

コメントを投稿