新庄発 … 短信集 … 如 月

 2024年2月15日
編集 : 遠藤 敏信


•  新庄でこんなに雪の少ない冬は、私の記憶にはない。野良のあちこちに稲株が見える状態である。いつもなら、雪下ろし作業による転落事故や雪の被害などは必ず地方ニュースになるのだが、今年はそれも聞かない。
 雪の排雪作業をやらなくて済むので、労力的には助かるのであるが、夏の天候がおかしくなるのではないかと心配! 降ったら降ったで又心配なのが農業である。そして冬の農閑期の会話で聞こえてくるのが、誰誰が“春から田んぼを貸すんだと”という話である。70歳代の私たちによく言われる離農の時期は、農業機械が壊れた時か体を壊した時だと!
【 今田 多一 】

•  この冬は一体何なんだ。過去にも暖冬は何回もあったが、この冬はその比ではない。大寒というのに雪も降らず、厳しい寒さもなし、吹雪の中全身真っ白になっての除雪作業もなく、毎朝夕の除雪も必要なし。こんな楽な冬はないのだが、このお返しがどのような形で現れるのかが一番気になるところだ。
 この冬もビニールハウスで山菜のウルイの促成栽培を行っているが昨年の猛暑の影響で株が充実しきれなかった為、全体に細く収穫は平年の7割止まりとなっている。いくら技術が向上し、資材が高度なものとなっても、天候には逆らえないのが農業である。今年は気を引き締めて取り組まなければならない。
 蛇足に、近年目や耳にしたことわざ・謹言・熟語を記してみたい。
○三権融合   ○忖度主義社会   ○減子力政策 ⇒ 新自由主義
○無責任競争力推進会議   ○アメリカ合衆国日本総督府   ○虚言実行
○国民次権   ○国内植民地 = 地方   ○寄生壊撹怪疑   ○働かせ方改革
 それぞれに意味・解釈はお任せしますが、このような言葉が生まれる社会にしたのは誰でしょう。
【 笹  輝美 】

•   2月。この時期になるといつも味噌づくりにとりかかります。いわゆる寒づくりというものです(もっとも節分は過ぎたわけですが、例年であれば厳寒期であることに変わりはない)。
 ところが今年はいつになく雪が少なく暖冬、過ごしやすくていいのか、悪いのか複雑な思いがします。今日14日、糀づくりを始めました。豆は従来”秘伝豆“を使っていましたが、今年は同じく“最上伝承野菜”に認定されている“くるみ豆”を使い、糀量を豆量の2倍使う甘味噌仕立てにしようと思っています。
【 遠藤 信子 】

•  確か去年の2月の短信に、車で妻の実家に行こうとして、ホワイトアウト状態に見舞われて引き返したことを書いた。それと比べると今年は過ごしやすいが、拍子抜けするほどの暖冬でむしろ不安が頭をかすめる。
 11日、憲法改悪反対山形集会に参加してきた。ジャーナリスト・志葉玲氏による講演がメイン。ウクライナとガザで民間人がロシアとイスラエルの侵略によっていかに悲惨な目にあっているかをプロジェクターを駆使して、メディアで見る報道・映像とは違う観点から語ってくれた。どう理屈をつけても戦争(侵略)はだめだ!と思う。
高校3年の頃、倫理社会の授業で日本国憲法の前文を暗唱させられたことを思い出す。
 気概のある教師がいたものだ。前文の理念こそが狂気を律する普遍的規範だと思う。
【 遠藤 敏信】

稲の苗代用地
:例年、3月中旬に融雪用に、もみ殻くんたんを播いて雪解けを促す。
4月初旬まで積雪が残るのだが、今年は2月半ばにしてほとんどない。

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