新庄発 … 短信集 … 文  月

 2025年7月15日
編集 : 遠藤 敏信

● 農家は収入から経費を引くと手元に残るのはごくわずか…肥料代、ガソリンや軽油の燃料代や電気代、繁忙期に人を頼めば人件費もかかり、消費者に届けるにも運送代がかかり、表示のためのシール作成や印刷にかかる外注費、袋代なども経費として負担しています。これらの価格は年々上がる一方で、この先も下がる目途が立ちません。
 ネットワーク農縁設立から30年がたち、消費者の皆さんに在来作物の栽培や有機農業、遺伝子組み換え作物反対の運動に興味を持ってもらい、手に取ってもらえるように…と、できる限り値上げをせずやってきました。消費者の方々との繋がりを最優先したいとの想いからですが、いまや農縁米の価格は世の中の慣行米よりも安く、令和の米不足の状況下では、理念や活動への理解は置き去りに、単に安い有機米がネットで購入できる!と思った方からの注文も見られるようになりました。「本当に無農薬栽培か?訳アリでは?」と、その信頼性を問う心配の声も上がっているようです。この、『価格と価値のねじれ』をどうにかしなければ…と感じているところです。
 さて、農家の担い手不足は深刻です。自分の子供に継いでほしいといえないのは切ない。次の世代が誇りをもって農業を続けていけるよう、希望を見いだせるようにすることもネットワーク農縁の重要な課題の一つです。適正な価格での販売も進めていかなければ、この先、確実にきえてしまうという危機感をお察しいただきたいと思います。苦渋の選択ではありますが、9月以降の新米からは新しい価格を提示させていただくことになりそうです。慎重に検討した上で、8月頃には新価格(送料負担の見直しも含む)を具体的にお知らせしたいと考えております。どうぞご理解いただけますようお願い申し上げます。
ネットワーク農縁新庄事務局【 工藤 恵子 】


この参議院選で、米不足を受けて「減反政策を見直す」と言う。今さら言われても私の場合、大豆とエン麦を毎年交互に減反作付けしているが、もし田んぼに戻せと言われても畦畔を取り払い、何十年も畑として使ってきたものをそう簡単には田んぼに戻せない。ユンボなどの、大型重機を入れ整地し直さなければならないのだ。
 そしてメディアへの出番の多い小泉進次郎は農協批判。農協改革と称し、農協の株式会社化を言い始めている。大資本に農協を売り渡せと聞こえる。農協改革ではなく、農協解体を目指しているように見える
【 今田 多一 】

● 「SDGsは大衆のアヘンである」にはじまる斉藤幸平の著書「人新生の資本論」は
60万部に達しようとしている。私の身近なところで、読んで感動したという声は、5人をこえている。読みっぱなしでは、もったいないので、若い方々に「リーデングス・斉藤幸平」という読書会を提案したい。
1867年(今から158年前)に、マルクスが「資本論」を著し、その中で資本主義が行き詰まる原因として4つをあげている。
① 人々が許容できないほどに、経済格差が広がる。
② 地球環境が破壊される。
③ 少子化が止まらない。
④ どうでもいいような仕事が増える。
 100年前も200年前も資本主義の本質は変わらない。「資本という化け物が口から赤い血を滴らせながら、労働者・農民を食い散らかしている」
 いきなり読書会というよりは、矢野コーヒー(米仙人)を飲みながらのおしゃべり会をしてはどうだろうか。映像はたくさんある。
〇斉藤幸平と坂本龍一  〇落合陽一とオードリータン  〇エンデの遺言とお金の話  等。
のんびり、ゆっくり、気長にやりましょう。
【 佐藤 恵一 】

● 前年2024年7月25日に豪雨災害があり、田んぼが埋まり、田んぼが流されたりした。国が何とかしてくれる、来年の春には回復しているだろうと思ったが、さすがに生産者ひとりの山奥にはなかなか工事が来なかった。ひとりの声はかぼそくて非効率の農地はあとまわし、妥当な選択肢だし優先順位は低い。大きなインフラは工事をしてくれるが、段々田んぼの個人的な工事はもちろん自分達で田植えシーズンが始まりなかなか同時進行とは行かなかった。田んぼは誰か専門業者が作り、、農家は使うだけ、そんな人もいるだろうが自分の理想は自分で作らなければならない。水の流れ水のたまり調整していくものだから、田植えまでの助走はすごくかかる。
 実は農家は土木作業がメインだと思う。水が来た喜び、水が満ちる喜び、それを一番伝えたい。そしてお金もかかる。出費は燃料代だけではない。今この国は、山から広葉樹をなくし中山間地の田んぼを非効率だと放棄させてる。広葉樹特にブナは水を貯める水田そのものがダムの機能を果たす。山や田んぼは川をせき止めないダムなんだよ。地域の古老がブナを切り、護岸をコンクリートで固めたから洪水が起こった、そう意気込んで語っていた。里を守るのは里山だったり、自分が稲作をしている中山間地の田んぼだと思っている。効率が優先され、誰もいなくなった全員農家みたいな地域から農家はいなくなった。無農薬・無化学肥料・天日干しをそんな農業をやりながら効率化お金儲けばかりが全てじゃない、気候変動、洪水から暮らしを守る農業・林業、たくさん仲間を集めて学んで実績して共有して、またこの一年やっていきます。是非遊びにきてください。
【 矢野 雄彦 】 

● 先日、初めて少し遠出をして温泉・観光地を巡りました。題して「兄妹会」、3組6人の行き当たりばったりの小旅行、なかなかにいいものだと思いました。が、帰ってみると、畑の畝間には草が目立ち始め、ブルーベリー摘みも忙しくなってきています。               【 遠藤 信子 】

● 「マナグ メネェ。ミミハ キケネェ。アシハ モツレ、ツマヅキコロブ。チョット ウゴグド、ムネァ、トカトカスル」。そんなことをこのところ実感することしきり、なのです。カタカナ語の意味、眼が遠くなった。耳も遠くなった。足も弱り、躓き転ぶ。少し動くと胸がトカトカする。

この度の参院選挙、与党の過半数割れを心待ちにしている自分がいます。
【 遠藤 敏信 】


新庄発 … 短信集 … 水 無 月

 2025年6月15日
編集:遠藤 敏信

● 随意契約の備蓄米の放出に大勢の人が並び買い求める姿がテレビで毎日流される。今まで食の多様化で米の消費量が減る一方で、米は余っていると政府は発表していたのに、主食の米を並んでまで求めなければならない状況は、やはりおかしい! 同じ放出でも大企業のため込んでいる内部保留金も放出させる政策を出してほしい。
【 今田 多一 】

● 令和4年、5年産米の加工用米の単価は、仮渡し金(包装代、消費税込み)で
6000円でした。玄米1㎏当たり100円です。それが色々と、加工用米がどのような経緯で備蓄米になるのか、私たち農家はわからない。まだまだ政府はもうかりますな?

 【 吉野 昭男 】
(註) JAの担当者によると「備蓄米は、主食用米を区分して保管し、コメ価格を安定させる仕組みで加工用米と同様に生産調整に扱われます。価格は主食用米並みで政府が買い上げ販売できるメリットがあるため、加工用米の場合より高く精算できます。精算の際は申し込みいただいた加工用米うるち米の中から、共同計算の中で公平に精算いたします」との事。

● 大変な騒ぎになっています。備蓄米の放出・販売です。何年もかけためてきたもの、災害なんかの対策用の備蓄米です。5~6年も前からためてきた米も在庫も少なくなってきているとのテレビの情報ですが、今年生産された米から又備蓄米として確保されるのか。何か大変な事がなければいいのですがと、老婆心なんですが想うのです。なぜ国の食の自給率を上げようとしないのか。 不思議な国、日本です。
【 高橋 保廣 】

● 連日、お米の価格がニュースで話題になっています。古米(2023年産)・古古米
(2022年産)・古古古米(2021年産)、といったワードは、一般消費者にとって馴染みのないものだったのではないでしょうか?街頭インタビュー等で備蓄米の購入について問われると、「安いにこしたことはない」「食べられれば安い方を買う」「古いお米って、味はどうなの?と思うので周りの評判を聞いてから … 」「これまで食べてきたお米が手に入るのであれば高めでもそれを買い続けたい」といったように、考え方は様々です。価格の安定もさることながら、一番の問題点は供給の安定です。それには米農家が抱えている課題や不安を少しでも払拭することこそが必要不可欠なのに、目先のことだけにとらわれていては、こうした米騒動はこれから何度でも起こりうると思います。
 一年間手間ひまかけて作ったお米の値段を農家が決められないばかりか、品質を担保するにはある程度の設備が必要だったり、販売する場合の表示においても定められたものをクリアするために袋やシール等を外注しなければならない … 大変さばかりが目につきます。どうにかならないものでしょうか?! 若い世代が農業を続けていけるような希望を持てる農政を望んでやみません。
【 工藤 恵子 】

● 中耕除草を始めました。5月下旬に植えたばかりの幼い稲の条間に雑草が目立ちだしました。慣行栽培の田んぼでさえそうなのだから、有機・無農薬栽培の圃場は推して知るべしと言えます。稲づくりにおいては、雑草対策が最大の課題なのかもしれません。
 先日スーパーに行って驚きました。昨年夏からの米価格の高騰で、お店に並ぶ米の価格が農縁で扱う無農薬栽培米より高く設定されているのです。昨年暮れあたりに始まり米のネット注文などが増えた感がありました。昨年夏の轍を踏むまいと4月に新規の方の注文受付の停止を要請したところです。なぜなら、旧くからの顧客を優先したいからです。
【 遠藤 信子 】

●  この季節の山菜は”ミズ”。私はこれが好きで、特にミズ汁(味噌仕立て:ジャガイ・・・・
と、ここまで打ってパソコンが固まってしまった。一旦消したら、今度は立ち上がらなくなってしまった。何回も試みたが駄目で、ツレのものを借りて再打ち込みを行った。そのため、今夜の例会を欠席。短信も中途半端で、終り。
【 遠藤 敏信 】

中耕除草