新圧発 … 短信集 神 無 月

2019年10月15日
文責 : 遠藤 敏信
●品種をコシヒカリに変えてから、ここ10年ほどイモチ病にはかからなかったのだが、今年はどういう訳か葉いもち病から穂首に移行し、全面的に被害が出てしまった。死に米が多く見た目にも悪いし、食味が心配だ。これから私の米が配送された時は、ぜひ寛容な心でお願いいたします。  台風15号に続き今度は19号が東海、関東、東北を縦断する。テレビに映し出される映像に、息をのむ。これでは神も仏もない。それにしても、素人目にも日本の河川の堤防は脆弱(ぜいじゃく)すぎる。同じような光景が繰り返される。基本設計に欠陥があるような気がする。 【 三原 茂夫 】 ● 10月上旬、7万いくらかのお金が村の各家々に配られた。共有林のスギが高規格道路用地に買収されたのである。私が20代の頃、毎年春、雪で曲がった杉木立を 縄で引っ張り立て直す作業があった。田植え後の初夏、曲り鎌で荒草を刈る。村総出の共同作業を10年以上やったという記憶がある。赤かべの土地だからスギは余り良 く生長しない、という話は聞いていたが、最後の姿は見ていない。今、村では植林や山の手入れをする人を見る事はない。たまに、雑木をキノコのほだ木取りをするくらいである。  「一人7本の気を植えよう」昔、中国の毛沢東が7億の民に提唱したという。日本においては、内村鑑三が「国を興さんと欲せば樹を植えよ」と、言ったそうだ。 【 今田 多一 】 ●台風19号は新庄では信じられない程、雨・風とも強くはならず、胸を撫で下ろしている。甚大な被害をこうむった方々には心からお見舞いを申しあげます。  地球温暖化は、最早逃れることのできない現実で、私達一人一人が肝に命じて取り組んでゆかねば、自分で自分の首を絞めることにつながる事が一層明確になったといえる。今の“新自由主義の思考”の中では何を取っても、何をやっても、今すぐ結果(利益)をあげなければ許されないようになってしまっている。と、同時に、福島原発事故強制起訴無罪。日産騒動、関電に見られるような権力を有する者達の無責任体制は更に強まっていると言える。  先日の新聞で、先の戦争で無謀な作戦と言われるインパール大先戦において作戦遂行中、舞台全滅の危機を救う為、命令に反し撤退を決意した山形県出身の陸軍中将がいたことを知り、驚愕を禁じ得なかった。彼は後に抗名の責を負うことになるのだが、後年、関係将校らが追悼の碑を建立したそうな。  翻って、当初邦人保護の名目で出兵した筈が、満州国国務院総務庁次長の要職にあったお方をはじめ、重鎮たちは敗戦が確実となるや、多くの民間人や兵を置き去りにしてサッサと逃げ帰り、戦後は何喰わる顔で政・財・官界に身を置き、先のお方は昭和の妖怪とまで呼ばれることになった。海難事故の場合、船から乗客乗組員すべてが降りたことを確認して、最後に船長が船から離れる、というのだが。そして、インパール作戦の背景には軍幹部の欲と忖度があったと記している。何やら今の社会をホウフツさせる記事であった。  稲刈りは彼岸頃から好天が続き、思いのほか、この10日までにおわすことができた。後片付けをなるべく早く終わらせ、ご褒美に山へでも出かけようと思っている。    【 笹 輝美 】 ●きな粉は通常、完熟大豆から作る。ところが、枝豆で食べられる状態で収穫し茹で、粉砕、乾燥後製粉化すると、色鮮やかで香りあるものに仕上がる。そのため、9月中旬から約2週間、畑で毎朝枝豆もぎを行なった。農産加工品の原材料確保である。ちょうど同じ時期、県の農林大学校農産加工科専攻の学生を、実習研修のため10日間受け入れてほしいとの連絡が入っていた。ひとにものを教えるなどというのはおこがましいが、それはそれ、逆に仕事が大変はかどり、助けられた。 そのため私は、この秋イネ刈りにはほとんどタッチしていない。生活のリズムが変わってきていることを感じている。 【 遠藤 信子 】 ●  稲刈りがあと少しで終わる。刈り取りからちょうど一ヶ月だ。今年の山形県は豊作だという。私の場合、今年の作況は、というとため息が出るものだ。 ・ヒメノモチ(早生種):まあまあ。去年、スズメに集中的にささられた。今年は大型鳥のカイト(凧)を3羽飛ばし、防鳥糸を張り巡らした。  ・あきたこまち(早生系):きれいに仕上がった。量的にはまあまあだが質的にはよかった。  ・さわのはな:(有機栽培):広葉雑草が多く、収量に影響し、籾摺りをしてみてカメムシの食害を確認、斑点米の除去を行いたい。  ・はえぬき:栽培面積が一番多い主力品種。雑草特にヒエの発生が多く、加えて遅発イモチ病にも侵され、量・質ともに不満足な出来。  ・つや姫(特別栽培):県の栽培マニュアルに則り、抑制した栽培を通し、目標に近いいい出来に仕上がった。  ・つや姫(有機栽培):まだ刈り取っていない。見た目良好。   ということで、この年にして、いまだ反省するばかりだ。 【 遠藤 敏信 】

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