新庄発 … 短信集  弥 生

2021年3月15日
文責 : 遠藤 敏信

●東日本大震災から今年で10年目ということで、報道各局で特集番組が放送された。それを録画してその多くを見た。村野住人(むらのじゆうじん)こと 遠藤さんが年と共に涙もろくなったと何回か短信集に書いていたが、それは加齢による現象というよりも年を経るごとに様々な経験を重ね、目の前で起きていることが他人事としてではなく、自分の事としてとらえ、同情や哀しみ・共感といった感情が心を動かして涙があふれてくるのではないかと思う。私も村野住人と同じく涙もろくなったことを、映像を見ながら実感している。それと同時にバランスをとるために無理してでも笑うことにしている。大げさに声を出して。もちろん周りに人がいないのを確認しながら。
☆ 「生き方の美学」中野孝次・文春新書  金にも権力にもおもねる事もなく自分の信念を通したすがすがしい生き方をした20人の話。
【 三原 茂夫 】

●今年の年賀状に私は、こんなことを書いている。「朝日連峰大鳥池の管理人の方と、いろいろよもやま話をして「ところでこの辺りはクマは出ますか」と聞いたところ、「熊 … 熊は山にはいないよ。皆、里に下りて行った。私「 ― ?」熊も厳しい選択を迫られていると納得。人とクマの住む境界(里山)にドングリを植えなければと思った次第。
☆ 気候変動を放置することで、地球は壊れてしまうと斎藤幸平は言う。際限なき利潤追求を止めなければならないのだが、資本主義の本質から目をそらし、レジ袋削減や S D G sとかの「目くらまし」に踊らされている。“ではどうするか”晩期マルクスの未発表原稿の中に、その処方箋が示されているという。彼は(日本からはただ一人)、世界中のマルクス研究者と一緒に、未発表遺稿を中心とした100巻の全集を新しく刊行中という。とんでもないやつが出てきたものだ!若干33歳、著書『人新生世の「資本論」』(集英社新書)を読んで頂きたい。大阪よつば連絡会ではすでに彼の講演会を行っている。ネットワーク農縁の収穫感謝際ではどうだろうか。「 S D G s は現代版・大衆のアヘンである」というテーマだったらおもしろい、と思うのだが。
スミヤキストQ 【 佐藤 恵一 】
●やはり冬場は農地の移動がある。減反田が地域外の人に移動したためと、米価下落下、減反面積が増すためだ。2月下旬、地域とも補償の減反面積が足りなくなるので、どうするかと村の常会があった。そんな中、2~3人がサイロクロップで対応したいと手を挙げてくれたので、話がまとまったが、これに類することはこれから増々増えることだろう。高齢化の中、担い手に農地を集積せよ、と言うが、村にそれだけの担い手なし、うまい手なし。
【 今田 多一 】

●3月11日、東日本大震災から10年、この1週間新聞ラジオなどの報道で涙の出ない日は無かった、地震津波は天災だが原発は人災だ。震災関連死が最も多い福島、除染は進んでいてもまだ高い放射能が出ている汚染された大量の土や水がどうなるのか。10年前の震災の後に放送されたチェルノブイリ原発事故の番組を見て書いたメモが残っていた、事故後に生まれて被爆したトウリャ君の言葉だ。チェルノブイリは10年20年後に新たな病気が始まっている、原発は一部の人々には必要だがすべての人々の安全にはつながらない。原発も原爆も無くても人類は幸福に暮らせる。放送の最後に言ったトウリャ君の言葉「孤独でも人間であることを続けるしかない」これは心に刺さる。
【 星川 公見 】

●3月も半ば過ぎ、日に日に春へと向かっているのを感じます。この季節に感じることは毎年の事ながら、進歩などあるはずもなく、いつも同じ。私は米粉菓子作りのかたわら、確定申告書をまとめ、また菓子作りに戻り、春彼岸を迎える。おっとっとと息子は種もみの浸漬作業の準備に取りかかる。
同じことの繰り返しの中にこそ平穏な暮らしがあるのかもしれない。ことに農家の場合は … 。
【 遠藤 信子 】

●東京では来週あたり桜が満開との予想が出ているという。本来なら心浮き立つ季節の到来だろうに、コロナ騒動が行動にブレーキをかける。
さて新庄はというと、田畑にはまだ60~70cmの雪が残る。冷え込んだ朝、“かたゆき”になったので苗代用地に燻炭を撒いてきた。なんぼかでも融雪を早めたいというせわしない気持ちがそうさせる。気休めみたいなものだが … 。
 14日、農縁の新庄生産者と東京世話人の方々とのオンライン会議を行った。新庄側は工藤さんの事務所に一堂に会し、東京側はそれぞれの自宅での対応だった。便利になったものだと感心する。こういうシステムが定着して、新しい日常となってゆくのだろう。問題はどこまでついていけるか、だ。
【 遠藤 敏信 】


On Line会議  工藤事務所(Sakura Planning)








On Line会議  工藤事務所(Sakura Planning)

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