新庄発 … 短信集  卯 月

2021年4月15日
文責 : 遠藤 敏信


新庄も桜が咲きだしました。城跡の最上公園の桜が三分咲き。花見客を待つ、灯り看板(ぼんぼり)も不況やコロナのせいか、数少なくなりました。
草木の芽吹きが、盛んです。いよいよイネの種まきが始まります。


●別荘(ビニールハウス)でのラジオを友にしての隠遁生活でこの冬も明けた。近年ラジオのコマーシャルに多くの法律事務所が登場するようになった。以前、渋谷で開業する司法書士の話を聞いた事があった。その中で印象的だったのは自己破産希望者がいかに多いか、そしてその中でも20才ぐらいの若い女性が圧倒的に多く「自己破産すればいいんでしょ」と簡単に言ってのけると。様子からして自分を着飾り、遊びまくった揚句に自己破産。「そのような人達の為に仕事をするのがバカらしくなってきた」と嘆いていた。
 片や世に △大話法という言葉があるそうな。某有名大学に外部から入った人が感想を述べたものという。その大学では学生に、いかに己に責任が及ばないような話し方をするかを教え込んでいるそうな。役人やセンセイ方の話し方を聞いているとナルホドと思わずにはいられない。
 何故、こうもろくでもない日本人が増えてしまったのだろうか?そんなことに憤慨し頭が熱くなったせいでもあるまいが、3月に入り異常なまでの高温で、雪はアッという間に無くなってしまった。山の雪が早々と消えることは、これからの田圃の水不足も心配される。そんな中、いよいよコメ作りがスタートした。天候もコロナも鎮まって欲しいと願いながら … 。

【 笹 輝美 】


●毎年3月末に東日本大震災の津波の被害のあった所を回り復旧の進み具合を見てくる。今年は 近所に住む元大工さん(84才)が「昔、働きに行った釜石と宮古をもう一度見てみたい」と言うので、一緒に行こうと声をかけた。後で、もし交通事故に会ったらと一瞬迷ったが、男の平均寿命を超えていることだし、そんなに文句は来ないだろうと勝手に思い込んで、出かけることにした。気仙沼、高田の一本松、釜石とそれぞれ伝承館が造られ、映像と展示物で当時の状況を再現している。
 次の日 大工さんに見たいところはないかと聞くと、中尊寺の金色堂にまだ行ったことがない、と。帰る途中なので寄ってくる。感想を聞くと「前から一度行って見たいと思っていた。今日見られたのでいつ死んでも思い残すことはない」とのこと。私も何か一ついいことをしたような満足感を味わった。
【 三原 茂夫 】

●この冬は積雪が多かった気がするが、3月に入り降雪がない状態で、そして中旬からの好天候のせいか、融雪速度が速まった感じである。新庄の桜も平年より1週間早く18日ごろが満開と予想されている。
 春作業が本格化しつつある。“種まき”を15日に行う予定だ。
【 今田 多一 】 


●16日から種まきを始める。ヒメノモチ、さわのはな、はえぬき、雪若丸、つや姫  の5品種、3回に分けて行う予定。コロナ禍で外食産業が振るわず、コメの消費が思わしくないという(JA関係者)。食にバリエーションがあるのはいいことだ。が、もっとコメを大事にしたいものだ。
【  村野 住人 】


●私には農家の母ちゃん仲間がいる。“ろくさん会”と称し、S.63年から続くグループだ。このようなグループが新庄最上には10ほどある。県の農業技術普及課が主管となって組織化し、地域 → 県 → 全国協議会へつながっていた。私も、県や全国大会に参加して、長く交流を続けている方もいる。 この春、県と全国の協議会が時を同じくして解散を決めた。理由は農家数の減少、構成員の高齢化、ネットの普及による新しいつながり、などなどが考えられる。(そして、コロナ禍の関係で会合・集会のほとんどすべてが取りやめになったが、それでも世の中は何とか回るということを知ってしまった!)それにしても、始めたころは若かったが、今や60代半ばのババの会になってしまった。年を重ねても皆は元気だ。けれど、これもいずれ私たちの代で終わる。
【 遠藤 信子 】


●4月9日は作家井上ひさしさんの命日だった。亡くなったのは2010年東日本大震災の前年だから没後11年になる。創作活動とともに農業問題、環境問題、憲法9条を守るために行動を起こし、継続的精力的に論陣を張った。ものを書く時の信条にしたという言葉が素晴らしい。心に深く残る。

― むずかしいことを やさしく /  やさしいことを 深く
 深いことを 面白く  /  面白いことを まじめに


 まじめなことを 愉快に / そして 愉快なことは あくまでも愉快に ― 

【 遠藤 敏信 】



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