新庄発 … 短信集 睦 月

2022年1月15日
文責 : 遠藤 敏信


●明けましておめでとうございます。正月になれば新年の目標や計画など日記に書いていたのだが最近は何も書くことがなくなり、普通の日と変わりなくなってしまった。
 日本の仏教が葬式や法事といった儀式が主要となってしまった中で、去年亡くなった瀬戸内寂聴さんの行動こそ仏教本来の姿と私は思う。生きている人の苦しみ、哀しみ、悩みに耳をかたむけ、生きてゆくための希望や意義を語り、人々を励まし続けた。寂聴さんこそ生きたいよう生き、また生きられた生涯だった。
   今年一年よろしくお願いいたします。                      【 三原 茂夫 】

●今(13日)新庄は暴風大雪警報が出ている。先週7日も風雪が強くホワイトアウト状態だった。その日車を運転中、本来右折すべきところを直進してしまい、吹き溜まりに突っ込んでしまった。車は自力では脱出不可となった。たまたま牛飼いをしている隣人のタイヤショベルで引き上げてもらい、本当に助かった。
 1/10、少し寒さが緩んだので農機具小屋などの軒下の雪の掘り起こしをした。これからの屋根の落雪に備える為である。天気予報によるとこの冬は雪が多そうである。
年を重ねると雪処理の労力はやはり身に沁みる! 
【 今田 多一 】

●年末からの寒波の波状攻撃を受け、早くもバテ気味だ。屋敷内の通路だけでなくビニールハウスや建物の軒下の除排雪が3日以上続くと、もう沢山と言いたくなる。以前、雪の降らない地方の人が雪国では豪雪で苦労しているとの話を聞き「そんなところに住まなければ良いのに」と言っているのをテレビで見てアッケにとられたものだった。が、今や雪国の人口は加速度的に減少を続けている有様。
戦前に「雪国が貧しいのは雪のせいで、これは雪害である」と声を上げ、広く雪国を巡り雪害救済運動を推し進めた県出身の代議士がいた。以前から利雪、親雪等という言葉が使われてはいたが、日常生活の上では正に音を上げそうになる暖房費、屋根の雪降ろしや除排雪の費用、除雪用機器、雪による事故での死傷等々、害の面ばかりである。
為に経済的余裕のある人達は雪の降らない地方もしくは少ない地方への移住、若者は都会へ … 。残るは高齢者ばかり、そして空き家が増えていく。
正に雪害救済には目もくれず、地方を国内植民地化してきた戦後政治の辿り着いた姿のような気がしてならない。この冬もこんな独り言を言いながら、ビニールハウスでの隠遁生活が始まった。今年は昨年より少しでも良い年となることを願いながら。
【笹 輝美 】

●若いころはスキー三昧の生活を送っていたから雪のない冬は考えられず、冬はむしろ好きで楽しみであった。
屋根から落ちた雪で北側の窓が埋まってしまった。台所は真っ暗になった。掘り出して今季2回目の明り取りをしなければならない。今、思う。雪はほどほどであって欲しいと。
【 遠藤 信子 】


●大分前もこんなことを書いた気がするのだが …
 新庄の冬は雪が降って当たり前の風土だ。とはいえ、連日降り続けると「いい加減にしてくれ」ということになる。「雪の多い年はさぐァええ」などと言う古老はもうとっくにいない。
 人間てぇのは勝手なものだ。多けりゃ多いでぼやくし、少なければ少ないで「これはおかしい。何かの前兆では?」などとあらぬ詮索を巡らす。ここに生きる限り、この季節の移り変わりは摂理として受け止めるしかないのだ。

       太郎を眠らせ  太郎の屋根に雪降りつむ

       次郎を眠らせ  次郎の屋根に雪降りつむ    三好達治

【 遠藤 敏信 】


寒中お見舞い申し上げます
おだやかな良い年になりますように祈ります


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