新庄発 … 短信集  如 月

2022年2月16日
文責 : 遠藤 敏信


●・新庄はここ3日ほど冬の中休みである。陽も12月ごろと比較すると大分長くなり、春の気配かと思わせる天気であるが、家の倒壊で下敷きとなり亡くなったり、雪降ろし中、落雪に巻き込まれ亡くなったということが県内ローカルニュースで流れた。高齢になってきたので、やはり作業には気をつけたいと思う。
 ・NHK・ETV特集 ― 若者たちの " 貧困バッシング " を見た。若者たちが派遣の仕事もなくなり、ネットカフェも緊急事態宣言で休業になり路上生活を余儀なくされているという。休業助成金もなし、不可抗力だと企業は支払い義務なしだという。
 そんな人たちをNPO法人や反貧困ネットワークの人たちが企業とかけあったり、食料配布などもし、公助につなげ、そして共同労働の人たちが仕事につなげている。
 死刑になりたいという理由で犯罪を起こした、というニュースがあったが、これこそ究極の負の連鎖である。自己責任論 くそくらえである。
【 今田 多一 】

● 厳しかったこの冬も峠を越えホッとしている。冬将軍が誰も頼みもしないのにパワー全開・大奮闘のお陰で山に近い私の所では最深積雪が1.8mと近年にない大雪となり、連日の除排雪で皆 ヘトヘトに疲れ切っている。
 これからは気温が徐々に上がってくるためビニールハウスは夏のよう、秋に中に入れた鉢物の中で寒梅と沈丁花が花を咲かせ、その香に酔いしれ妄想・迷想を膨らませての冬ごもりである。コロナが収まったらできる事ならフーテンの寅さんよろしく気ままに旅をしたいものである。
 この冬の雪は、雨が降らず低温下の中で大量に積もったため、密度が高く固く締って融けにくい。これからの時期、そんな雪の上をスノーシューを履いてのトレッキングも新しい発見もでき、楽しいものであるが、歳をとってきたら仕事の能率が落ちて逆に時間が無くなり、そんな遊びもできなくなってしまった。せめて、妄想の中で旅や遊びを愉しむことにしよう。多少仕事の手が止まるにせよ。                    
【 笹 輝美 】

●・「ファーブル昆虫記」を完訳しフランス文学者としても知られている奥本大三郎さんには数多くの随想集がある。その中からニヤリとする話を一つ。
 オウムは他の声をまねるのが上手で、しょっちゅうやっているうちに、一体自分の本来の声がどれだったかわからなくなり困惑したり、又カメレオンは回りの色に自分の体色を変えるのが有名で、このカメレオンも死ぬ時ぐらいは自分本来の体色で死にたいと思ったのだが、どれが本来の色だかわからなくなり、死ぬくらい悩むという話などは読むたびにおかしみがこみ上げ、声を出して笑いたくなる。
 ・1月から2月にかけて毎日のように雪が降った。新庄では雪の重さで家がつぶされ中にいた人が死亡するという、今まで聞いたことのない事故が起きた。私の集落でも村はずれの小屋2軒が壊された。                     
【 三原 茂夫 】

● 暮れから降り続いた雪も峠を越したようだ。新庄の雪氷防災研究センターの調査によれば、今季の最大積雪深は、2月8日の176cmとのこと。ちなみに累積降雪量は2月 15日時点で680cmだそうだ。雪の重みに耐えかねて家屋が倒壊し、その家に住む住人がなくなるという痛ましい事故が起きた。雪の加重は1平方メートル当たり500~530kgに及ぶとのことだが、家屋の場合、通常300kgの耐加重を想定して建てられているという。雪が積もれば降ろさないわけにはいかない。
 これまで何度か"新庄藩江戸屋敷の火消しを描いたーぼろ飛び組シリーズ"をあらわした若き作家・今村祥吾のことを書いた。ここ4,5年の間にシリーズものとともに歴史ものに新たな視点で切り込む作品は重厚で、しかも面白い。ここ2回直木賞にノミネートされてきたが先日「塞翁の楯」でついに第166回直木賞を受賞した。新庄を第2のふるさとと言ってはばからない作者だ。一ファンとして素直に喜びたい。
【 遠藤 敏信 】

晴れた朝、裏の畑に小動物の足跡があった。糞からしてタヌキかな …

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