新 庄 発 … 短 信 集 … 葉 月

 2025年8月17日
編 集:遠藤 敏信



● 髙橋保広代表と新庄事務局・工藤恵子の
             「ネットワーク農縁のこれからを考える対談」

高)ネットワーク農縁は生産者と消費者が直接繋がった活動体としてやってきた。消費者の言葉が励みややりがいとなり、我々は学ぶことも多かった。この繋がりが農縁の中心だと思っている。
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工)会員の方々の食に対する意識の高さは、新庄事務局を担当する私もひしひしと感じます。農業を取り巻く課題を一緒に考えてくれる応援団は本当に心強いです。
さて、農家の平均年齢が70歳前後だといわれる昨今、農縁は今後どうなっていきますか?
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高)農縁も10年先を考えろと言われても難しい状況、現在6軒のみとなってしまった。自分も歳を感じることが多く年々きつくなってきている。一年一年、老体に鞭打ってやっている。
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工)
後継者問題は農縁でも大きな課題ですが、何が一番の要因でしょう?
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高)
やっぱり、息子や次の世代に継いでほしいと言えない状況が大きいだろうな。無農薬無化学肥料でやる農業はとにかく手間暇かかり専業でなければ難しい。と言っても兼業でなければ収入面から厳しいという農家が多い。そうなると、自分たちの代で農家は終わり…となる家が増え、先が考えられない農家が周りにたくさんいる。どんどん田畑が減っていくんだ。
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工)
米農家の時給は10円という衝撃的なニュースも飛び交ったりして、若い世代が農業に希望や将来像を見いだせないというのも大きいでしょうね。あとは経費が年々嵩み、それを差し引くとほとんど残らない規模の農家はやめるしかないのでしょうか?経費の高騰はどうでしょう?
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高)
まず、ガソリン代が2倍、農縁を始めた頃は1ℓで90円代だったのが今は約180円。運賃は約3倍。肥料だって段ボールや米袋だって値段が上がり、間違いなく負担が増えている。
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工)
それなのに農縁では30年間、ほとんど値上げをせずやっていますが・・・。
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髙)
農縁の場合、単なる米販売ではなく、食と農の問題をともに考え実践する仕組みと動きだから、価格はそんなに重要視していなかった。最優先は「深い繋がり」。運送会社の大幅な値上げに伴って送料負担は改定してきたけども、米の価格はできる限り維持してやってきた。それは一人でも多くの消費者に農縁のお米が届き、考えを共有してほしいとの願いからだった。ちゃんとわかって食べて下さる方々からは、お金以上のものを頂いてきたからそれで良いと思ってきた。そうしているうち、他からみると格安の無農薬米になってしまった。
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工)
農縁は血縁関係の有無にかかわらず、理念や活動を背負いたいと協力下さる若手もいます。引き続いでいくために、農業で収益を得られることも大事ではないかと思います。お米の価格改定はそうした今後への投資の意味合いもあるのではないでしょうか?
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髙)
本来は我々がその都度やってこなければならなかったことだが、できてこなかった。消費者の皆さんに負担をしいるのは心苦しいけれど、今後のために価格改定は必要、今やらなければならないと思う。新米時期(10月頃予定)から、新価格での負担にご理解とご協力を頂きたい。価格や農家の現状に関して気になること・ご意見などあれば、ぜひお声を聞かせてほしい。
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工)
情報は農縁HPや次号の短信集でお知らせして参ります。よろしくお願いいたします。


● 7月、新庄は降水量が異常に少なく、土地改良区管理による3日に1日だけ用水路に通水される水量も少なく、上の方の田んぼに水を入れると下の方はなかなか水が足りない状態で、私の田んぼの一部でも水が回らない所が出始めていた。日照りが続くと、皆が用水を確保しようと水口を開けるから、ますます用水が分散し、我田引水状況になる。
昨年のようにゲリラ豪雨になるのも困るが、日照りが長く続き干ばつになり、作物の葉先が赤くなるのも見ていられない。人間に都合よく、ちょうどよい具合には毎年なかなかならない。
【 今田 多一 】


● 以前にも書きましたが、8月は忙しい月です。旧盆の13日は墓参り、そして村内11軒の相互仏前参り。14日、村の八幡神社の旗立て(2対)。15日、村の八幡神社の祭礼。村外の親戚への応対、夜はおっとと私の共通友人たちの懇親会。16日、村外の親戚の仏前参り、などなど。女たちにとっては大変な家事作業でした。
 そんな8月の行事がコロナを経て様変わりしました。村内の仏前相互参りは話し合いで、11軒から3軒に。コロナは災いばかりでなく、村を変え、家事仕事から女性を解放したとも言えます。
【 遠藤 信子 】


● 何の場合でも当てはまると思いますが、生産に携わる人は使う人のことを思い、使う人(消費者)は生産に関する人に思いを馳せる。これが成立すると世の中はうまくいく。ところが、現実的にはそうはいかない。我にかかわるところが絶対的な価値を持ってしまうからだ。
  農であっても、他であっても他を思いやることが、丸く収まると思うのだ。これはすべてに通じると思う、暑い、うだるような夏の日々です
【 むらのじゅうにん 】

亀裂の入った田面


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