新庄発 … 短信集  弥 生

2021年3月15日
文責 : 遠藤 敏信

●東日本大震災から今年で10年目ということで、報道各局で特集番組が放送された。それを録画してその多くを見た。村野住人(むらのじゆうじん)こと 遠藤さんが年と共に涙もろくなったと何回か短信集に書いていたが、それは加齢による現象というよりも年を経るごとに様々な経験を重ね、目の前で起きていることが他人事としてではなく、自分の事としてとらえ、同情や哀しみ・共感といった感情が心を動かして涙があふれてくるのではないかと思う。私も村野住人と同じく涙もろくなったことを、映像を見ながら実感している。それと同時にバランスをとるために無理してでも笑うことにしている。大げさに声を出して。もちろん周りに人がいないのを確認しながら。
☆ 「生き方の美学」中野孝次・文春新書  金にも権力にもおもねる事もなく自分の信念を通したすがすがしい生き方をした20人の話。
【 三原 茂夫 】

●今年の年賀状に私は、こんなことを書いている。「朝日連峰大鳥池の管理人の方と、いろいろよもやま話をして「ところでこの辺りはクマは出ますか」と聞いたところ、「熊 … 熊は山にはいないよ。皆、里に下りて行った。私「 ― ?」熊も厳しい選択を迫られていると納得。人とクマの住む境界(里山)にドングリを植えなければと思った次第。
☆ 気候変動を放置することで、地球は壊れてしまうと斎藤幸平は言う。際限なき利潤追求を止めなければならないのだが、資本主義の本質から目をそらし、レジ袋削減や S D G sとかの「目くらまし」に踊らされている。“ではどうするか”晩期マルクスの未発表原稿の中に、その処方箋が示されているという。彼は(日本からはただ一人)、世界中のマルクス研究者と一緒に、未発表遺稿を中心とした100巻の全集を新しく刊行中という。とんでもないやつが出てきたものだ!若干33歳、著書『人新生世の「資本論」』(集英社新書)を読んで頂きたい。大阪よつば連絡会ではすでに彼の講演会を行っている。ネットワーク農縁の収穫感謝際ではどうだろうか。「 S D G s は現代版・大衆のアヘンである」というテーマだったらおもしろい、と思うのだが。
スミヤキストQ 【 佐藤 恵一 】
●やはり冬場は農地の移動がある。減反田が地域外の人に移動したためと、米価下落下、減反面積が増すためだ。2月下旬、地域とも補償の減反面積が足りなくなるので、どうするかと村の常会があった。そんな中、2~3人がサイロクロップで対応したいと手を挙げてくれたので、話がまとまったが、これに類することはこれから増々増えることだろう。高齢化の中、担い手に農地を集積せよ、と言うが、村にそれだけの担い手なし、うまい手なし。
【 今田 多一 】

●3月11日、東日本大震災から10年、この1週間新聞ラジオなどの報道で涙の出ない日は無かった、地震津波は天災だが原発は人災だ。震災関連死が最も多い福島、除染は進んでいてもまだ高い放射能が出ている汚染された大量の土や水がどうなるのか。10年前の震災の後に放送されたチェルノブイリ原発事故の番組を見て書いたメモが残っていた、事故後に生まれて被爆したトウリャ君の言葉だ。チェルノブイリは10年20年後に新たな病気が始まっている、原発は一部の人々には必要だがすべての人々の安全にはつながらない。原発も原爆も無くても人類は幸福に暮らせる。放送の最後に言ったトウリャ君の言葉「孤独でも人間であることを続けるしかない」これは心に刺さる。
【 星川 公見 】

●3月も半ば過ぎ、日に日に春へと向かっているのを感じます。この季節に感じることは毎年の事ながら、進歩などあるはずもなく、いつも同じ。私は米粉菓子作りのかたわら、確定申告書をまとめ、また菓子作りに戻り、春彼岸を迎える。おっとっとと息子は種もみの浸漬作業の準備に取りかかる。
同じことの繰り返しの中にこそ平穏な暮らしがあるのかもしれない。ことに農家の場合は … 。
【 遠藤 信子 】

●東京では来週あたり桜が満開との予想が出ているという。本来なら心浮き立つ季節の到来だろうに、コロナ騒動が行動にブレーキをかける。
さて新庄はというと、田畑にはまだ60~70cmの雪が残る。冷え込んだ朝、“かたゆき”になったので苗代用地に燻炭を撒いてきた。なんぼかでも融雪を早めたいというせわしない気持ちがそうさせる。気休めみたいなものだが … 。
 14日、農縁の新庄生産者と東京世話人の方々とのオンライン会議を行った。新庄側は工藤さんの事務所に一堂に会し、東京側はそれぞれの自宅での対応だった。便利になったものだと感心する。こういうシステムが定着して、新しい日常となってゆくのだろう。問題はどこまでついていけるか、だ。
【 遠藤 敏信 】


On Line会議  工藤事務所(Sakura Planning)








On Line会議  工藤事務所(Sakura Planning)

新庄発 … 短信集  如 月


2021年2月15日
文責 : 遠藤 敏信

節分を過ぎたとはいえ、今年はまだ寒気が続く

●ちょっと日が緩んだのか、屋根に積もった雪がドドドドッと轟音とともに家を揺らしながら落ちていきます。家の周りは2mを超える積雪です。すっぽり雪の中の生活です。2日前は一寸先見えない猛吹雪で電車も新幹線も止まっていました。雪で塞がれた道路の確保、屋根の雪降ろしとヘトヘトに忙しく除排雪に追われています。それでもこの雪は福をもたらす大事な水資源でもあるのです。そんな疲れた体から出る言葉です。「年はとりたくねーもんだなァー」と妻の歌子に嘆き、自分の年(75才)に気づく有様なのです。
 関東はもう菜の花ですか。正直な想いはやっぱり雪のない地方がうらやましくもなるこの時期でもあるのです。
東京のコロナ感染者が一気に少なく報道されました。このまま収束 ……… か。
 とにかく自分を守る、それが他の人も守れる。気をつけて下さい。生命力の強い食材で免疫力を高める。そんな食材をお送りします。みなさん、ファイトですよ。 2/10
【 高橋 保廣 】

●節分を越すと心なしか寒気も緩んできているように感じられる。寒中の除雪も特別多い訳でなく、このまま雪解けを迎えたいものである。
 先日のオンライン交流会、有難うございました。昔、漫画「鉄腕アトム」にテレビ電話が
登場し、夢物語と思っていたが今それをはるかに越え、デジタル技術が日進月歩進化しているのを目の当たりにすると、ただただ感心するばかり。視力が低下しデジタル機器から取り残されている私は、特にである。
 交流会の中で一番大切なことを言い忘れていました。「都市側で生産者の為に何か出来る事があれば」とのお尋ねがありましたが、私達が一番嬉しいことは、心を込めて作った産品を沢山食べて頂く事です。今後共、宜しくお願いします。
【 笹 輝美 】

●昨日、今日(13日)は今季一番の春の気配を感じさせる好天候であった。これから三寒四温の繰り返しであるが、陽の光は確実に1時間くらいは長くなってきた。でも家の前の田んぼには1mを超える積雪がある。
 先月、 ZOOM という,近代文明・オンラインでの交流会があったが、私の年代では画面に向かってしゃべるのは、苦手である。でも新庄事務局の工藤さんのお陰で、貴重な体験をすることが出来た。
【 今田 多一 】

●人間はどんな時代に生まれようと一度しか生きられない。こんな時代は、こんな国は、こんな親はイヤだと思っても自分では選べない。(まったくの運任せ)
そんな人間が願う最後は、世の平均寿命まで生きて一生をふりかえり、いい人生だったと さだまさし の歌詞のようなことをつぶやいて安らかに目を閉じる。のを、理想の死と考える人が多いのではなかろうか.。私もそうありたいと思う。
 しかし中には早死を願う人もいることをー「賢治と岩手を歩く」 板谷英紀・岩手日報社 で知る。宮沢賢治が盛岡高等農林時代に親友だった保坂嘉内や河本義行の3人は「人間はできるだけ早く理想とする仕事を成し遂げ、できるだけ早く土に還るべきだ」と言ったと。どうしてそういう考えに至ったかはこの本には書いていなかったが、事実、賢治37歳、義行37歳、嘉内42歳で亡くなる。
【 三原 茂夫 】

●友人から電話が来ました。「林部智史が小椋佳と共演するからTVを観て」。聞けば、小椋佳が“もういいかい”というアルバムを出したのに 林部が“まあだだよ” と応えて話題となっているのだそうだ。彼女は新庄市出身の林部と同じ町内で過ごした熱列な後援会員なのです。「観たよ!」長い経歴の大御所と新進気鋭のコラボ。期待とリスペクトが交差していることを感じさせる耳に心地よい映像でした。
 もう一つ。友人がCDデビューを果たした。「歌うことは生きる力だ」と言う。御年65才の牛飼いばあちゃんなのだ。応援したい。
【 遠藤 信子 】

●年明け以来本読み三昧の日々を過ごした。藤沢周平を再読し唸り、今村祥吾にワクワクし、「農本主義のすすめ」宇根豊に共感した。ずっと近くに焦点を合わせていたためか目がかすむのを感じた。メガネの度数が合わなくなったのかと、眼鏡をあつらえに行き検査を受けた。その結果、「眼科で診てもらって下さい」と。目医者のチエックによれば「白内障ですな」。いやはやとんだことになっている。忙しくなる前に、治しにかからなければならない。矢継ぎ早に身体のメンテナンスが続く。
【 遠藤 敏信 】
母屋北側の雪を掘り出す(今季 2 回目)


新庄発 短信集 … 睦  月

 2021年 1月15日

文責 : 遠藤 敏信

謹 賀 新 年   今年もよろしくお願いします     新庄生産者一同


●新しい年を迎えた今の心境です。コロナ禍で受け身的な空気感にさいなまれ、行動も慎重に対応する毎日です。そんな時だからこそ、これまでの思いを共有し、培った人たちと更に深め合う年にしたいものだと思っております。今年もよろしくお願いします。                       
【 高橋 保廣 】

●大晦日から雪は降り続き、除排雪作業でヘトヘト。今月7日は猛吹雪、2021年のこの国と世界が穏やかであって欲しいと願うばかり。そんな中、山形県知事選が公示となり非与党系現職と自民元県議の新人が立候補、女どうしの戦いが始まった。先の参院選では与党現職を野党系新人が下すという波を起こした。そのことを受けて与党県連の人達は青色吐息「自分達の発言力が無くなる」「予算をもらいにくくなる」 …。  つまりは敗北の責任を問われるとの事であるようだが、「ハテ?」と思ってしまった。国政選挙は国政を審判するもので、与党県連役員を審判するものではない筈だ。
  前の戦争ではノモンハン事件が象徴するような、責任の所在のいい加減さは当り前、主導した参謀は3才の同胞を死なせて敗北したその責任を、己の部下に押し付けたという。そのようなことが75年以上過ぎた今でも、国の指導者と言われるような人達が行っているのを見ると、豪雪よりもウンザリしてしまう。
年頭からボヤいてスミマセン。あまりにコロナ感染者が増え続けているもので、つい … 。
何かの本に出ていました。「税金は密だ」 「権力は密だ」。
【 笹 輝美 】

●昨年は記録的な少雪だったが、この冬は大雪になりそうな気配である。昨年末から降り続いたためか、家の前の小屋のあたりの気温が低いのか、トタンが古くなったためか自然に雪は落ちてこない。そのため屋根に上がり “雪の棟割り” をした。途中で一気に落雪しないか気をつけながら! 熊の出没と雪による事故はローカルニュースでは必ず取り上げられる。犠牲になるのは年配者がやっぱり多い。私も気をつけているつもりなのだが … 。
【 今田 多一 】

今年もよろしくお願いいたします。コロナはおさまるどころか感染が拡大するばかりで、この先どうなるか予想もつかない状態になりそうだ。コロナにかからないように気をつけて今年一年を!! 
【 三原 茂夫 】

●こんなに文明が発達しているのにコロナはまたたく間に世界中に広がり、一つが片づかないうちに新しいウイルスが人だけでなく多くの生命体をおびやかす。環境の変化によるものか。
【 吉野 昭男 】

 今年もよろしくしますお願いします。コロナ禍の影響は大きい。私の場合、気になるのは、差し詰め農産物の価格です。何気ない日常が一番ですね!
皆々様が幸多き一年になりますようお祈りします。
【 星川 吉和 】

 1月9日に放送されたNHKスペシャル「未来への分岐点」で、温暖化で溶けたロシアの永久凍土から発見された新種のウイルスは生物の体内に入ると12時間で1,000倍に増殖する脅威の能力を持っていた。古代の病原体は新たな感染症の流行をもたらす可能性は高い。永久凍土はまさにパンドラの箱である(研究者グループがWHOに出した意見書)。 今年の記録的な大雪も以前から言われていたが、温暖化が進むと数年に一度は災害が起きるような大雪になるといわれていた。
【 星川 公見 】

●今年の正月は、親戚同士が、「行ったり来たりの年始詣でを控えよう」ということに取り決め、ナシとしました。特段おせちを作ることもなく、 客待ちすることもなく ― でも家風としてすることはして ー 何とまぁ気の楽な正月でした。みなさん、今年もどうぞよろしくお願いします。
【 遠藤 信子 】

●人の生き血を吸った“鬼舞辻無惨”(きぶつじむざん)のような資本が蜘蛛の糸を張り巡らしています。もっといじめて下さいとは言わない農民でありたい。私は、テロリストになります。
【 佐藤 恵一 】

●コロナ禍で迎えた今年の正月をどのように過ごされましたか?春先の緊急事態宣言で経済が停滞、先行きの不安から決定を先送りにしたせいで、さらなる感染拡大の脅威で大変な状況となってしまいましたね。働き方改革が叫ばれる昨今、大きな組織に属さずこじんまりと会社を経営する身としては、ニーズがあれば “昼夜問わず” が常ですが、非接触型生活の良し悪しの狭間で右往左往するばかりです。
どんなに厳しい冬でも雪の下で耐える植物のように、根を張り・芽を出す時のための準備を地道にしたい、そう自分に言い聞かせる毎日です。
【 工藤 恵子 】

●予定通りの手筈で年明け早々、膝関節の痛みを改善する手術のため入院しています。術名「高位脛骨骨切り術」、 脛の上部に切り込みを入れ、くさびを打ち込みO脚気味の足を5度矯正しX脚気味にし、膝軟骨の接地点を変えるという荒いもの。体も古くなると、あちこちメンテナンスを施さなくてはならなくなりました。みなさん、くれぐれも体を大切になさって下さい。
【 遠藤 敏信 】


冬、新庄は雪が降って当たり前の風土です

新庄発 短信集 … 師 走

 文責 : 遠藤 敏信   
                 15日朝,50cm超の積雪あり。冬到来。

●今年はコロナで始まり、コロナで終わる一年になりそうだ。テレビでは食事の回数を減らしたり、進学をあきらめたりと深刻な状態が伝えられている中で、国内の政治はますますひどくなってきた。森友・加計、そして、“桜を見る会”で恥じることなくウソを重ねてきた前首相が何ひとつ答えることなくブザマな姿をさらけ出している。公と私を峻別した、彼の郷里(山口県)の偉人である吉田松陰がこの有様を見たら、議員辞職だけでなく腹を切って天下万民にお詫びしろ、と言うに違いない。
 毎年、皆様のご厚情に感謝し、来る年がよき年であることを祈りながら。
【 三原 茂夫 】

●雪が遅く助かっていたが、明日から平地でも積雪の予報が流れた。
2,3日前の報道で、ゲノム編集された“血圧を下げる効果を持つトマト”が販売、流通できることが承認され、22年冬には食卓に上るという。外来植物による遺伝子が残らないから表示する義務がないというが、狙いと違う場所に遺伝子が入ると想定外の反応を起こす可能性があるともいう。私には詳しいことはわからないが、人間は間違いを起こすのが世の常である。
【 今田 多一 】

●雨の合間を縫って植木等の雪囲い、越冬用の野菜の収穫と畑の片付け、畑のマルチに使ったポリはよく乾かして産廃処分場へ。そして植林地の手入れ等を行ってきたがまだ終わらぬうちに雪の予報となった。
あとは来年への繰り越しとなる。
 コロナは山形県も感染者が増加している。田んぼや畑に行っているだけなら無関係のようなものであるが、尊敬する亡き先生の山の写真展が酒田市で開かれていたのでビクビクしながら、佐藤君・三原君と3人で出かけた。写真は人に見せる為に撮ったものでもなく、又点数も少なかったが、先生が使用した山用具も一緒に展示しており、海外遠征やこよなく愛した鳥海山や教え子達への溢れんばかりの優しさがセピア色の中から伝わってきた。私も自然保護活動の中でお話を聞かせて頂く機会があったが、教育と鳥海山の自然保護に情熱を注ぎ、優しさの奥に秘めた不屈の信念を垣間見ることが出来、胸打たれるのを感じた事があった。
コロナに揺れたこの一年であったが、今年の締めを飾るにふさわしい写真展であった。尚、同時に展示された先生の御子息の写真は徒歩で北米大陸・南米大陸の縦横断を成し遂げた時のもので、その後、自然保護を学ぶ為米国へ留学を予定しており、その資金稼ぎの最中事故により若き命を失ってしまった。後年、「南北アメリカ縦横断日記」が無明舎から刊行されました。
  皆様、2020年もありがとうございました。
【 笹  輝美 】

●コロナ禍で大変な中でもう師走、新年を迎えることになり恒例の収穫感謝祭も中止となりました。毎年のように起こる気象に因る災害で今年も山形県は大雨に因る水害で最上川流域は甚大な被害を受ける、特に農地が大きな被害を受けた。
 1995年ネットワーク農縁を発足した頃はカメムシによるお米の斑点被害など全くなかったのですが
10年程前から年々ひどくなってきている。
 温暖化は自然の生態系も変え、予測できないほどの気象現象を引き起こす、中国湖北省武漢から始まったCovid – 19 も人間が原因を作っているのではないかと思ったりする。
【 星川 公見 】

 

●本来ならこの時期、東京での収穫感謝祭で上京しているはずでした。今年はコロナの感染拡大騒動が勃発し、往来がままなりません。唯一の交流は、2月初めの“味噌づくり教室”でした。うまく熟成したでしょうか。
ただただ、このうっとうしい状況が収束に向かうことを祈るばかりです。
【 遠藤 信子 】

●喪中はがきが連日届く、と去年も書いた。近年とても多くなった。両親から始まって、それぞれの兄弟に及び、本人まで加わってきた。寂しいことだが年を重ねていることの証しなのだと思う。
新庄には“塩ノ原基線”という国土地理院が指定( 2011年12.月15日 )した測量遺産が現存する。
各地にある一等三角点とつなぎ合せることによって日本地図が成り立つ。日本には15(東北には2)の基線があるというが、全長約5Kmを見通せるのはここだけという。それが測量遺産たるゆえんなのだと。
 ところで、その基線の中ほどに東北中央自動車道が走ることになり、土盛り工事が急ピッチで進められている。このことによって見通しは保てるのか。遮られることはないのか。あらためて確認したい。
今年はコロナ禍で皆さんとの往来もままならず、我慢辛抱の一年でした。皆さん、どうかくれぐれも気を付けてお過ごしください。ありがとうございました。
【 遠藤 敏信 】 


この直線 ≒ 5kmの光景は13日夜半から降り続く雪で 一面深く埋まった。 測量遺産  “ 塩ノ原基線 ” 夏 (7/30)

短信集 … 霜 月

 2020年11月15日

文責 : 遠藤 敏信

●・私の読んでいる新聞にアメリカの自由の女神像が今回の大統領選を見るに耐えないとつぶやきながら、目隠しをしている風刺画が載った。私ならそれに聞くに耐えないと、たいまつと独立宣誓を下ろし両手で耳をふさいで「こんなはずじゃなかった」とつぶやきながら、膝まずいている女神像にしたかった。テレビを見ている限りでは自分の国の選挙を信じられないで、不正があったと敗北を認めず、わめき散らしているトランプとその支持者ほど見苦しいものはない
・日本では日本学術会議の会員6人の任命拒否を巡って、首相が説明にならない答弁を繰り返している。“厚顔無恥”、いい大人がみっともない。
【 三原 茂夫 】


● 田圃の収穫作業が完了したものの10月末から雨の日が多くなり、ウルイの株掘り取りと運搬が遅々として進まず、それに伴い畑の片付けや植木等の雪囲いも進まず、神室連峰は2度の降雪を見、急速に冬が近づいている。まだまだやることは残っているのだが、11/12の新聞に宮城県女川町の女川原発2号機の再稼働に地元と宮城県が同意したとの記事が載っており、発表した宮城県の知事は地域経済に寄与と語っていた。
 もし再事故が起きれば、否応なく山形県もその被害に引きずりこまれるのは必至であり、本当に地域の将来の為になるのか私は疑問を捨てきれない。また6月の新聞には電力会社が各株主総会に提案した「脱原発」がすべて否決されたことも載っていた。
 この国がコピーを進める米国では福島のような事故が起きた場合、電力会社のみならず、株主もその原発を設計した会社、建設を施工した会社、管理に関係する会社もすべて補償の責任を負わねばならないとの事だが、日本は株主過保護、おいしいとこ取りを放置している。そもそも何があっても、政府も電力会社も原制委も誰も責任を負わないという無責任体制が続く限り、再惨禍は起きるに違いない。
そして地方の疲弊は更に進行する。
【 笹 輝美 】

● この秋で私は69歳になった。地域の小学校がもうすぐ廃校(統合のため)になるので70才を前に地元に残っている人達で同窓会をやるという連絡が来て、久し振りに参加した。30人の2クラス、60人の内11人が死去したとの報告があった。ネットワーク農縁設立から20数年経つ。関係してくれた人たちでも、私が知る限りでは、川口さん、守田さん、秋山さん、佐藤さんが、生産者側でも田口さんが亡くなった。
 今年はコロナで人が集い合うことが出来そうもなく、収穫感謝祭は中止であるが、昨年の催しの際、井ノ部さんが「皆様方との出会いは、偶然でもあるが必然でもあった」という発言に私も同感!
【 今田 多一 】

● 私のむらで長く続いてきた“集まり”が一つ消えた。“お観音講”という最上33観音を祀ることで始まった講で、毎月17日に構成員の家を順番に回りお互いの状況や関心事を語り合う茶話会といったものだった。義母のそのまた姑の頃から続いていたというから、相当に古くからあったものと思う。元はもっと多かったのだろうけれど、私が出ることになった約20年前は隣り近所の6名となっていた。
 当時私は40代で、50代・60代の方々とご一緒にさせていただいた。あれから時が経ち、それぞれみんな老いて、60・70・80代となった。
 コロナの影響で、3月から例会を休止していたが、再開した10月の集まりの際、「年も年だし、やめたい」という方が出て、いっそのこと解散ということになった。仕方のないことだと思いつつ、むらの生活様式の変化を感じている。
【遠藤 信子 】

● 例会を1日早めて、今夜14日に行った。市の環境課保全室長のY君から「家庭系生ごみの堆肥化事業を農縁で引き受けてもらえないか」との打診あり。前任者が退任することになり、受け手として筆頭候補に上っているという。求められるのは、有機循環の意義の理解と管理力(私が思うに)。持ち越し案件となる。
 新庄では、今年首都圏を会場にした従来の「収穫感謝祭」の開催はコロナ下の状況ではムリだべ、と9月時点で決めていた。東京側スタッフは生産者と都市生活者との交流を何とかできないか、と腐心していたようだ。そこで出たのが“ZOOM”を利用しての“オンライン交流会”。

「えっ、なに?」「ZOOM って何よ?」「春までは確か、Skypeだったよな」

   「この状況を分らない事って、遅れてるんだべかな」みんな固まる。新庄の会計事務を担うK.恵子さんがパソコンに向かい応対に奮闘。しばらく協議を継続することで落着。「ただ集まりゃ、いいってもんじゃないべ。やるからには楽しくしなきゃ」。

かくして終了したものの、皆一様にため息。疲れを隠せないのだった。

【 遠藤 敏信 】

短信集 … 神 無 月

 2020年10月16日
文責 : 遠藤 敏信

新型コロナウイルスの感染拡大が止まりません。この状況下、皆さん、ごきげんいかがですか。
これまで、”農縁“に集う会員の皆様方と生産者が一体となって首都圏での「収穫感謝祭)を行ない、交流を図ってきました。しかし、今般、諸般の事情を考慮し、お互いの健康面を最重要視し、今年度の収穫感謝祭は例年通りの形のままでは開催を見送りたいと考えています。どうか、ご容赦ください。 新庄生産者一同


●この秋の収穫作業は、田も固く農機のトラブルもなく順調に進んだ。この年齢になると、稲刈りを終えることで特にホッとする。3~4年前、私の2か所の圃場でU字溝からの漏水で田面の一部が軟らかくなり、コンバインの走行が思うようにいかず、方向転換をする場所に稲杭を敷いたりして難儀したことが頭にある。そのため、排水を促すため7月のはじめ、溝切り本数を多く手掛けてきた。
 JAの米の仮渡し金がコロナ禍の中、20万トンの在庫があるから、と低く抑えられた。全集連も他の業者も右ならえ、である。それらの中間マージンはそのままで、いつもわりを食うのは農民だけであるのは、昔からだ。
皆様方の応援は、やはり励みである。                 
【 今田 多一 】

●9月は暑い日が続いたが10月に入ると朝にはストーブをつける日もあった。
黄金色の稲穂が一面に広がる田んぼも、刈り取りが終ると急にさびしい風景に代わる、とは健康のため毎日4km以上も散歩をし続けている友人の言葉だ。私もそう思う。稲刈り中は落ち着いて本を読む時間がとれなかったが、これから春まで読みたい本を読める幸せな日々だ。
 読書の秋に紹介したい本がある。「言葉の贈り物」若松英輔・亜紀書房/1500
新書サイズで150ページほどの小さな本だが、中身の濃い24話が収められているエッセイ集だ。若松さんはNHK「100分で名著」に、内村鑑三、神谷美代子、石牟礼道子の時に講師として出演している。生きることに対して、まじめに誠実に向き合い、求道者のような印象を受けた人だ。ぜひ手に取って読んでもらいたい。                    
【 三原 茂夫 】

●新庄発・短信集は農縁の生産者と消費者をつなぐ媒体としてとても有効だと思う。どれくらい続いているのか、という問いがありました。手元に2003年の「イバラトミヨ」(当時のタイトル ー   絶滅危惧種の淡水魚・通称ハリザッコの異名を持つ)があり、農縁だより・イバラトミヨ28号と記されていて、短信集は別刷りで付されていた。
 このことから推察すると、2003年分の 4+(12× 17)+10 = 208となる。
長いマンネリだと思う、とともに、よく続いているなと、あきれてしまう。いつまで続くかわからない。これからもよろしくおつき合いください。               
【 編 者 】

●13日コンバインでの稲の刈り取りを終え、14日、およそ1ヶ月間天日干しにした杭掛け稲の脱穀作業を行なった。多くの方が今年はイモチ病にやられたと嘆くが、わがやの場合コナギなどの雑草がまん延して収穫に影響した。特に20年以上無農薬・無化学肥料栽培を続けてきた田んぼ(かつて、ア・シード・ジャパンに集う若者たちが大挙して草取りに入った圃場)は有機栽培仕様で取り組み、手押し除草や手取り除草を行なったものの、余りの増殖に手を焼いた。(7月号短信)時間のすべてを草取りに費やすことはとてもできない、という判断の下、7月18日、広葉雑草用の除草剤を使ってしまった。これで、つや姫の無農薬米は消えた。涙がこぼれた。
ある方は、これは「一般米と同じだ」と断じたそうだが、果たしてそうか?言い訳ではなく、思う。動機が違う。肥料はすべて有機、殺虫・殺菌剤は不使用。ために、カメムシの食害の斑点米を除くための選別作業もしなければならない。これが農薬バンバンのもの以下の価値しかないなどということはない。私はこれを、今まで無農薬米を愛顧して下さった方たちに、説明し、ご理解をいただいたならば、低農薬米価格でお届けしたいと思っています。

今、蕎麦の実をビニールハウスの中に広げて天日干しにしている。刈り取りが例年より10日以上も早い若刈りのため、青い実がかなりの割合で見える。乾燥後、製粉化、そばにし茹でた場合、ゆで汁が緑色になる。そばはというと歩留まりは完熟に劣るが、すこぶる風味がよく香りもよいものになる筈だ。手打ちそば作りは人と人を笑顔でつなぐ。新そばを打つ、楽しみだ。
【 遠藤 敏信 】

裏の水路脇にアケビが熟れていた。


大手幼稚園・さつまいも堀り(10/16)日本学術会議推薦で政府により、任命を拒否された芦名定道氏(京大教授)はここの出身。深い縁(ゆかり)がある。

新庄発 短信集 長 月

                                2020年9月15日
                                文責 : 遠藤 敏信

●8月も下旬に入り、それまでの曇雨天から一転猛暑が続き、人も家畜も作物も皆ヘトヘト。心配だったイモチ病はやはり穂へと移り減収は必至。また、日中光合成ででん粉を作っても夜間気温が高かった為、呼吸作用でそれを消費してしまい、いわばタダ働きといったところ。葉で作られたでん粉が穂へ移行する為には水分が必要であるが、この時期下手に水を入れた後「何とかと秋の空」のように天候が変わり雨となろうものなら、田んぼがぬかるみその後の刈り取り作業が難渋することになる。かといって土壌水分が少ないとイモチ病を拡大させてしまう。この時期の水管理は本当に悩ましい限りだ。いくら科学が発達しても、自然相手の農業はすべて思い通りに行くことは少ない。

 かつて、農業・農協批判が激しかった頃、その急先鋒を担っていた「一郎三ピン」と言われた4人の男たちがいた。その中の一人は今、アダムスミスを気取っていて、彼等の主張は「日本の農産物は国際価格と比べると高い。国が税金を使って保護し高い農産物を作らせている。ゆえに農民は経営能力が乏しく、にも拘らず裕福な生活を送っている。日本経済のお荷物である農業など無くして、もっともっと輸出産業はじめ、サービス業等に力を入れ発展させるべきで、日本から農業が無くなれば、国民は年100兆円得をする」ざっとこんな調子であった。彼等の主張が正しいかどうかは別として、農業・農民がそんなに保護されているのなら、何故離農が続出し、若者が農業に就かないのか?それを聞いてみたい。彼らの迷言はその名とともに後世に残るであろう。
【 笹 輝美 】

●収穫の秋を迎えても今年は少し複雑だ。20年以上続けてきた無農薬栽培を、6月に除草剤を1度使い低農薬栽培に変更したからだ。これまで田の草取り1回と除草機押し2~3回で何とかやってきたが、雑草の多さと除草機押しの時に息切れがひどく、今年は無理と判断した。今まで田の草取りを応援してくれた東京の友人にそのことを伝えた。残念そうな声が聞こえた。
 不整脈と高血圧の薬を飲むようになってから6年。近いうちにこうなるとは思ってはいたのだが、仲間と一緒に作ってきた無農薬米をやめてみると、この時期になってさびしいという気持ちがわいてきた。                           
【 三原 茂夫 】

●今年は農縁が始まってから最もイモチ病の被害の多い年になったようです。例年少しの発生はあるのだが今年のように大発生したことは無かった、7月の長雨による多湿状態でイモチ病が大発生して周りのどこの田んぼを見てもイモチ病で枯れた稲穂が見えて、あちらこちらで薬剤散布の消毒をしている、農薬を使えない私の田んぼはイモチ病が拡がっていくのを指をくわえて見ているだけで、農薬を使えないリスクを最も感じた夏でした。どんな米ができるか気がかりです、せめて食味だけでも悪くなければいいのですが ……。
【 星川 公見 】

●平年なら新庄まつり(8/24~26・今年はコロナのため中止)が過ぎると秋風が立ち、涼しさを感じるのであるが、今年は9月に入ってからも暑さが続き身に応える。9/6、家の前の僅かばかりの田のバインダー刈り、稲杭掛けの作業をしたのであるが、冷たい水を何ぼ飲んだかしれない。そして7日、気温35.7℃である。でも秋彼岸を過ぎれば「寒くなってきたなぁ」となり、朝晩のストーブが欠かせなくなるのだ。やはり、自然の摂理は大きく変わってほしくない。
【 今田 多一 】

●畑作業(培土や草取り)にせよ、注文を受けて加工所にこもる場合でもほとんどは独りで自分が課したノルマと向き合う。だから、外で汗だくになろうとも、疲れはするが苦にはならない。コロナ禍で何が変わったかというと、「3密を避ける」ために縮小や、交流会等の中止が相次いだ。忙しい時は煩わしく思ったりすることさえあったのにそれら、人との関わり・交流が何ともホッとする時間であることに改めて気づく。気兼ねなく往来が出来る日々が戻ることを、切に願っています。
【 遠藤 信子 】

●15日、稲刈りに入った。始めにバインダー・杭掛け部を手がける。わずか10アールばかりに3人がかりで、まる1日いっぱいの作業となった。
作業予定。本格的な刈り取りは16日から。例年通り、早生種から中生種、晩生種の順に進める。ヒメノモチ ~ さわのはな 〜 雪若丸 〜 はえぬき 〜 つや姫へと移行する。天候を計っての作業となるが、①刈り取り〜 ②乾燥 〜 ③一時貯蔵 〜 ④籾摺り 〜 ⓹袋詰め 〜 ⑥出荷 のローテ―ションを約16回繰り返す、ほぼ1ヶ月の長丁場となる。今年の“サグ”は、どげだべ。
楽しみであり、こわさもあり … だ。無理せず臨もうと思う。
【 遠藤 敏信 】

いまでは珍しくなった稲の杭掛け。雨よけのビニールが印象的。(今田君宅)