新庄発・・・短信集 卯月

2013年4月15日
着順 文責:遠藤敏信

●/今まで花粉症になった人を「軟弱者」と鼻先で笑っていたが、今年から私に鼻水、くしゃみ、目のかゆみの症状がたて続けに現れてきた。まさかこの年でと、何度も思ったが、間違いなく私もその仲間入りをしたようだ。
 /啄木や賢治が遊んだ城跡が見たくて盛岡へ行く。当時はどこからも雄大な岩手山が見えたそうだが、今はビルが林立してそれは叶わない。「空に吸われし十王の心」を追体験しようと芝生の上に仰向けになって空を見たが、啄木の歌には余りにも自分の年齢がかけ離れてしまったことに気づき苦笑する。
 /種まきまで消えるか心配していた雪だが、何とかなりそうで安心している。【 三原 茂夫 】

● 私の村の入口に山岳信仰の出羽三山(月山・羽黒山・湯殿山)の一つ、湯殿山の石碑が祀ってある。マツクイ虫で5本の松が枯れた為、新しい松を植えた。4/8、隣組で石碑の回りの松の幼木の“そがき”(雪囲い)を取り外しお参りして、一杯飲む。
 酒宴のとりとめない話の中、息子も農業を継いでいる○○さんにもっと農地を増やして規模拡大しないかという話が出る。「今、TPPが来てどうなるか分からない時、増やす気になどならないべゃ」と言う。脇で飲んでいた△△さんが「もっと農地が値下がりしてからでも遅くはねぇ」とチャチを入れる。やはり“TPP”でますます先行きが見えない。幼稚園の送り迎えの車より、介護関関係の車の往来が多いといわれて久しい。そして、私にもついに、介護する時が来た。
【 今田 多一 】

● 毎日、TPP問題が新聞の紙面をにぎわしているが、TPPへの参加は果たして国民を幸福にするのだろうか。3.11以降、度重なる大地震、淡路島の地震は未知の活断層とのことだ。大きな地震が起きるたびに震源地に近い原発が心配される。やはり原発再開は危険すぎる。こんなことを考えながら種まきの準備を進める。今年は例年になく雪どけが遅く、田畑はまだ残雪に覆われている。こんな年は雪が無くなると一気に農作業が忙しくなる。
【 星川 公見 】

● 「広報しんじょう」の4月号に小学校新入生の写真が掲載されている。私の村の子供達なのだが28戸の村で5人の新入生だ。昨年11月3日の山形新聞に「異常に子ども多い村」と紹介されてからいろいろと話題になっている。今年の1月17日には、東根市高崎地区の区長会12名が視察に来た。尾花沢市M地区からも視察の要請が来ている。「少子化対策について聞きたい」とのことだったのだが、聞かれた村の人も困惑している、といった状態。13歳未満が14人というのは、他地区から見れば多いかも知れない。「魔法の杖」があったわけではないのだろうが私にもよく分からない。ただ言えることは、他と比べて争いごとのないおだやかな地域であること、老・壮・青・子供の連携したコミュニティ活動が活発なことなどが思いあたる。ひょっとしたらここは「みちのくの桃源郷」なのかもしれない。
【 佐藤 恵一 】

● 雪どけが急速に進んでいる。桜の芽も膨らんできた。種まきが近づいている。私の場合、稲の育苗はビニールハウス内でなく、田んぼでの露地育苗だ。苗代用地の残雪処理に昨年はロータリー除雪機を入れ、厚さ60cmの雪を枠外へ飛ばしたものだが、今年は4月はじめに水を入れ、融雪を促している。この冬は昨年より積雪量が多かった割に雪どけが早いようだ。
 新庄の百姓シンガー“泉 耕”が ~日本を守ろう~ TPP反対音頭 という曲を歌っているので紹介したい。遠藤 敏信 】

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