新庄発 … 短信集  正 月

2017年1月16日


文責 : 遠藤 敏信


みな様のご多幸をお祈り申し上げます。今年もどうか宜しくお付き合い下さい。

 年末年始雪が少なく大変過しやすく、“もうかったな”と思っていたら、ここにきて連日、雪が降りっぱなしである。このあと、1週間も雪だるまの予報マークであるが、昔から明日の天気だけはやはり、誰も予想がつかない。
去年まで足腰が痛いなどとはあまり思わなかったが、65歳になったとたん、ガタが来た感じである。テレビのBS放送を見ていると、健康サプリメントのCMがやたら多い。「ホントに効くのかな」、と思いつつ惰性で見入ってしまう。これも何かしら、健康に不安を感じている日中ヒマな中高年層の視聴者をあてこんでのことであろうが、キャッチコピーが実にうまくわが身に重ねてしまう。CM恐るべし。
【 今田 多一 】

 村の神社に奉納する注連縄(しめなわ)造りは80歳から一番若い私、67歳まで数人のメンバーであった。去年の暮、造り手に40台の若手が加わり、皆これで注連縄造りの伝統が守れると大喜びをした。完成した注連縄を前に御神酒が予定量を超えたのは言うまでもない。それにしても、日本の国の周りの国は品のない見たくもない顔ばかり集った。米のトランプ、露のプーチン、中国の近平、北朝鮮の金、そして日本の安倍。傲慢不遜を絵に描いた人たちばかりだ。  
【 三原 茂夫 】

 この冬は雪が少なく正月9日の成人の日までほとんど雪が降らずに田んぼの稲株が見えるほど雪が少なかったが10日から降り始め止まずに降り続ける、正月は雪が無くて良い正月だったが降り始めると止まずに降り、雪がもつもつと積もる(見る間に雪が積もっていく様を表す、新庄・最上地方の方言)
   この大雪はスキー場などは喜んでいるが一般の生活は大変だ、雪かきで時間と体力が消耗する、雪国はそれなりに大変です。本年も宜しくお願い致します。
【 星川 公見 】

 私の村には種々の神様が祀られている。鎮守としての地蔵尊、火伏を願っての古峰山、秋葉山、雨乞いとしての雷(いかずち)様、山の神とお稲荷さんは山仕事の安全・五穀豊穣を願ってであろう。
 毎年元旦にはその神々・子どもたちと一緒にお参りをするのが普通であったが、近年お参りをする人がめっきり少なくなった。農業が軽視される中、農耕につながる文化も衰退してゆくのであろう。
 新聞を開けば毎日毎日カイカクばかり。農業改革がいつしか農協改革に変わり、最近は露骨な農協潰しである。協同組合の歴史は古いが、何故生まれたのか?
言うまでもなく組合員の利益をまもる為である。更に言えば資本の収奪から何の力も持たない人たちが結集して自分たちの生活を守る為である。
 苦労して育て、収穫したものを資本の手先となった人たちに足元を見られて、安く買い叩かれても、売らなければ収入とはならない為、腸を煮えくり返すような悔しさの中、売らねばならなかった昔のことを証言する人は現存している。
 購買品も同じ、言い値である。そんな口惜しさの中で、農民は農協へ結集してきたのである。商社も保険会社も銀行も慈善事業を行っているわけでもない。あくまでも、利益を得るためで、儲かれば経営者と株主で山分けである。
 協同組合はそうではない。利益剰余金が出れば組合員に種々の形で還元されるのだ。人口減少の中で経済界が更なる利益を追求する時、協同組合とりわけ農協が目の上のタンコブなのである。
 新自由主義の亡者たちにしてみれば農協が握る金融・共済・購買・販売の各事業を、ぶんどりたい。彼らの、そんな狙いがうかがえるのである。正月から又ぼやいてしまった。今年も頑張ります。どうぞ宜しく。          
【 笹 輝美 】

 最近この先どうなるのか、などということを考えないようにしている。考えれば不安の方が多く、気が滅入ってしまう。無心になってタダ出来ることだけをやりとげていきたいと思っています。今年もよろしくお願いします  
【 遠藤 信子 】

 1月10日の昼頃までは、「今年の冬は楽でイイな」などと雪の少ないことを喜ぶ会話がよく交わされた。午後からみぞれになり、夕方から雪に変わった。以来、降りっぱなし状態で100cm超。思い出すのは、6年前の2011年、東日本大震災が起きた年だ。アノ年も正月5日夕方までは雪がほとんどなかった。それが5日夜から降り出し、2月1日には積雪200cm(累積840cm)に達したのだった。ここは、冬に雪が降って当たり前の風土なのだ、と改めて思う。   
2017年1月15日 鳥越正月神楽
【 遠藤 敏信 】

新庄発 短信集  …  師 走



2016年12月16日

文責 : 遠藤 敏信

   年を重ねるたびに、時の流れが速くなったと感じられる、と多くの人が言っている。特にそれを実感するのが12月だ。振り返ってみると、充実した一年だったとは言えない過ごし方をしてしまったようだ。
 今年の川崎・東京での交流会も多くの会員の皆様に支えられ、無事に終えることが出来ました。又、訪問先での笑顔と心のこもったおもてなしにただただ感謝です。 
                              【 三原 茂夫 】

   白いものは(雪)は遅く降るほどありがたい年代になってきましたが、新庄は確実に根雪の様相です。
今年も、 1210  もも保育園の冬まつり
1211  遺伝子組み換え映画祭への参加、鑑賞  
          午後:「ネットワーク農縁」都市会員との交流会
1212  鎌倉モンタナ修道院を訪問
 毎年のことですが、実際皆様方と顔を合わせることにより、印象と記憶がより残ります。本当にお世話になりました。             【 今田 多一 】

   昨年までとは異なった収穫感謝祭となってしまいましたが、例年と同じく、沢山の皆様に参加していただき嬉しい限りです。そして私たちの訪問を受け入れて下さった皆様に感謝とお礼を申し上げます。3日間にわたる一連の交流を通し、来年のまた頑張れる元気を貰い、新庄に帰ってきました。本当にありがとうございました。
 今年も天変地異におそわれ続けた一年でしたが、幸いにも新庄はさほど影響を受けることなく実りの秋を迎えることが出来ました。何時どんな災害に見舞われるかわからないこんな時だからこそ安全な食物を安定的に生産する為、最大限に努力する事こそ、応援して下さっている皆様に対しての使命だと、肝に命じているところです。
 今地方は人口減少が進み、急速に衰退の道をひた走っており、諸々の問題が連鎖的に発生し起っている。少子化は言葉を失う。認知症の増加が大きな問題となっているが、私が周囲を見て思うのは幼児がいる家の老人に認知症が非常に少ないことから、この二つの関係は偶然ではないのではないかと思ってしまう。
 何もかも欧米の真似をして、2世代3世代同居は前近代的な人たちがする事といった風潮が社会保障費を膨らませてきたのではないだろうか。
 地方の主産業である農業・林業に従事する人たちが労働に見合った収入を得ることが出来ず、次々と離れていくのだが、それをエコノミストたちは自己責任で片付けてしまう。だが、私はそうは思わない。TPPもFTAも他の自由貿易協定も対等な条約協定など、歴史を見てもあったためしがない。それらが私たち普通の生活者にとって救世主でないことは、いずれわかることである。
 どのように社会・経済が変わっても地域に残った者は、自分たちのコッミュニティを守り、自然環境を守り、黙々と共生の道を歩み続けるだけである。そして、都市と農村の共生を追い求めて … 。
 今年も一年間、本当にありがとうございました。         【 笹 輝美 】
(註)TPP環太平洋経済連携協定 アメリカ、日本など太平洋に面する12か国が対象となる貿易協定。日本は今国会で政権党の強行採決で各国に先駆けて批准した。
まもなく就任予定の次期アメリカ大統領は脱退を表明。
FTA主に2国間による自由貿易協定

●  毎月の米の発注・精算のとりつぎ作業とともに、農縁で関わった交流会を列記してみます。220   手前味噌づくり実践講座(もも保育園)川崎
326   「雪調を考える会」の賄い(新庄)
6 4   笹巻づくり実践講座(もも保育園)(川崎)
867 大豆畑トラストツアー(賄い)、(Sさん泊)新庄
92425 まける米稲刈りツアー(賄い)
116   Uさん歓迎会(新庄)(Uさん泊)
1112   農縁米の話と試食交流会(東京外神田)
121011 もも保育園冬まつり・農縁交流集会(首都圏)       
   農業の6次産業化の波に乗ったわけではないのですが、一昨年から無農薬栽培の米・野菜を利用・加工を施しての、菓子作りに取り組んでいます。目新しさもあってか、とても好評です。そんな中での出前ですので、やりくりが大変ではあります。が、農縁活動を通して、直接消費する方々とつながり、接することが出来、お互いの思いに共感することからエネルギーを貰っています。皆さんとの関わり合いが、日々の暮らしの中での楽しみなのです。         【 遠藤 信子 】

   「農縁20周年記念誌」を作ろうと原稿を募っています。今も、手紙・ファックス・メールが届いています。も少し期限を延ばし追加募集をしたいと思います(年内中)。まだ間に合いますよ。よろしく、です。
 12/1、ユネスコの国際会議で“新庄まつり(82426日)”の一連の行事が世界の無形文化遺産の一つに認定・登録されました。素直に喜びたい。びっくりポン 今年もつき合っていただき、ありがとうございました。感謝。  遠藤 敏信

新庄発 … 短信集    霜 月




2016年11月13日

文責 : 遠藤 敏信

   11/9、平年より早い初雪。やはり寒い。今年は台風や大雨に見舞われることもなく概ね好天が続き、病害虫の発生も少なかった。が、やや栄養失調(肥料不足)気味となったため、思ったより収量は上がらなかったもののその分、品質と食味は確保できたように思う。自然相手の農家はいくら機械化・システム化を進め、データを最大限活用し、結果最高の出来栄え間違いなしと思っても、台風1つが襲来すればゲリラ豪雨で水害が起きれば、それで終わりなのだ。そして温暖化が進行する今、その確率はますます高くなっていると言わねばならない。
 私の地方には私の地方の土地条件(地形・地質)、水利条件、環境条件等から最もコストの安く上がる多様な形態がある筈で、十把一絡げ(じっぱひとからげ)で規模拡大のみを唱える人たちに違和感を覚える。そしてそのほとんどの人たちは自分では農業経営をやったことが無い人たちだから。
 そんなわけで今年も反省の年でした。が、何気ない日々の生活を楽しみながら過ごしています。このところ楽しみ続けてばかりいて、除雪前にやらねばならない作業がたくさん残っているため、慌てています。           【 笹 輝美 】

   例年より早く新庄は9日に初雪になり、里山は白一色になった。
今から50年ほど前になるが、東京から村はずれに山小屋風の小屋を建て、移住してきた青年がいた。村の子供たちの勉強を見て、村人からは「山の先生」と呼ばれていた。話をしているうちに良寛を師と仰ぎ、そのような人生を歩みたいとも言った。絵をよく描き、愚寛(ぐかん)とサインしていた。米ソ冷戦の時代、いつ核戦争が起きるかわからない時に、山の先生は「世界は一つの連邦国にならなければ人類の救われる道はない」と大まじめに訥々(とつとつ)と私に説くのだった。その時は何を寝ぼけたことを、そんな事 実現できる訳がないと鼻で笑って聞いていたのだが、今の世界を見ていると、その道がどんなに困難であろうと、どんなに時間がかかろうがそれしかないような気がしてくる。
  山の先生の話の要旨
      今の国連は5大国の内1国でも反対すれば何事も前に進まない。内戦で
多くの人が殺されようが助けることも出来ない。世界で共通の法律を作り、
国連独自の警察・軍を持ちどこの国でも行動できるようにして平和を守る。
各国の国益を第一とするのではなく、世界や地球全体の益を一番にする … 。

といったような話だったように思う。50年も前のことなので記憶違いもあるだろう。今の世界問題(地球温暖化、人口、内戦、難民、宗教、テロ等々)は山の先生の考え方を進めていけば、100年後200年後には世界は一つの国家像に近づき解決の方向へと向かうと思うのだが、やはり甘いと鼻先で笑われるだろうか。                                
【 三原 茂夫 】

   オレンジ色の介護保険証が届いた。65歳になった証である。この前テレビで農業従事者の平均年齢が67歳と言っていた。私の村は55戸であるが見渡してみると大体当たっていると思う。農業に従事する若者は2人だけだ。新卒就農者は医者になる数より少ない、と言われて久しいが納得である。高齢化、担い手不足と言われながら、それでも頑張る農民が居るからこそ耕作放棄地なども最小限にとどまっているのではないか攻めの農業を、成長産業に …などと旗を振られても、それにこたえる百姓は私の村にはいない。              【 今田 多一 】

   この一年はイギリスのEU離脱や超大国アメリカの大統領がまさかのトランプ氏に、私のような凡人には予想もできない結果が次々と起こる一年だった。これも時代の流れなのだろうか。これから世界はどうなるのだろうと思う。アメリカのTPP離脱が現実味を帯びてきた中で日本はTPP承認案が可決される、ほとんどの農家はTPPを不安に思っている、私も同じだ。          【 星川 公見 】

   12日(土)、東京にいます。農縁の立ち上げ時からお付き合いのある、寺沢文子さんとそのお仲間、小林久子さんの計らいで、農縁米の試食交流会を行いました。新庄から出向いたのは、高橋()さんと私。千代田区外神田の万世区民会館を会場になんと50名もの方が集ってくれました。在来種“さわのはな”、と山形県を代表する米“つや姫”のおにぎりを食しながらの語り合い。添え物の漬物、有機農業者協会の味噌(汁)、納豆、ハトムギ茶も大好評で、とっても素敵なひと時でした。
                                                 感謝!   【 遠藤 信子 】
 
   アメリカの新大統領が予想外のT氏に決まったことで世間はこの話で持ちきりだ。日本も世襲制から脱して爽やかな“新しい風”が吹かないものかと思う。
 6日夕、農縁と14年来つき合いのある、川崎市の‟もも保育園の厨房スタッフの一員・海野さんがきてくれた。山形市でおこなわれた食育研修会に参加後、足をのばしてくれたもの。急遽、農縁の仲間に連絡、ささやかな歓迎会を持つ。たまの飲み会。志しの高い若い女性が加わることで、オジサンたちは大いに盛り上がり、「新庄の農家さんとのつき合いは園のブランドの一つ」などと褒められ、酒量がいつになくはかどったのでした。日本酒のうまい季節になりました。【 遠藤 敏信 】

新庄発 … 短信集  神 無 月





2016年10月15日
  文責 : 遠藤 敏信

   私の村では稲刈りも終盤になり、残っている稲穂もわずかになってきました。
私の場合、秋雨と用水路からの水漏れで一部の田んぼが軟弱でコンバインの方向転換の所に稲杭を敷いてぬかるみから脱出しての刈り取りとなり、機械がこわれるのではないかとヒヤヒヤしながらやっと刈り取ったのであった。
私が使用しているコンバインは10年を越え、無理をすると故障となり、修理不能となるのではないかと心配になる。新しいものを買うとなると500万円以上もする。60半ばになって新しい大農機具を購入する気になかなかなれない。
                                          【 今田 多一 】

   高い山では初冠雪のたよりが聞かれるようになり、新庄でも朝はめっきり寒くなってきた。最近のニュースで私には理解できないことが続いている。どこから見ても米大統領にはふさわしくないないと思うのだが、アメリカにはトランプ氏を支持する多くの国民がいるようだ。あんな思慮に欠ける人に自分の感情や思いつきで政治をされたら、アメリカは元より世界の国々が大迷惑するのは火を見るよりも明らかなのに … 。
東京の豊洲市場が最初と違った設計建築となり大問題になっている。小池知事になったから表に出てきたのだろうが、誰が調査しても分からないという。江戸時代のように責任を取って切腹させられるわけでもないのに「私がこういう訳で変えた」と言えばすっきりするのに誰も出てこない。情けない限りだ。東京都民から絶大な支持を受け、強気の発言を言いたい放題だった石原元都知事もこの問題に関しては急に記憶の薄れたただの無責任な老人になってしまった。    【 三原 茂夫 】

   ある知人の話です。定年まじかの弟夫婦が訪ねてきて「やっぱ、田舎はいいなぁ。食べ物はうまいし、気持ちも落ち着くし … 」となったそうです。「そんなに気に入ったら、退職後はこっちへ戻ってきたら」と返したところ、「いやいや、田舎はたまに来るからいいんであって、今から住むのいくら何でも無理ですよ 」と、奥さんがマジに言葉を返してきたそうです。田舎暮らしに憧れ、それを実行している方も今は珍しくないそうですが、よほどの覚悟がいるのかも知れません。私が都会へ行くことが億劫でないのは、たまに行くから楽しいのと同じことなんだと思っところです。                          【 遠藤 信子 】

   稲刈りに入ったのは9月21日、早生種のもち米からだった。ところが、断続的な秋雨(これは条件がみんな同じ)、早々にバッテリーの不具合(メンテナンスに出していたにも関わらず)、足回りのゴムクローラーの断裂破損、イネ送りベルトの破損等々大きなトラブルが続発、そのためなかなか収穫作業がはかどらず、まだ晩生種(はえぬき、つや姫)をかなり刈り残している状況です。
 そんな中でも世間は、収穫の秋にちなんだイベントが目白押しで、そのいくつかに駆り出されるのですから時間のやりくりが何とも大変ではあります。
 さて、仲間のみんなも、そして何回もTPPについては語ってきましたが、いよいよ国会で審議入りの運びという。国は「農業を輸出産業にする」などと音頭をとりますが、そうは問屋が卸すのでしょうか。ISD条項で知的財産権が損なわれ、医療制度も変わってしまう危険性があります。アメリカの次期大統領候補二人がともに協定に反対している中で、日本はなぜ、交渉過程を伏せてまで批准・承認を急ぐのでしょうか。何が何でも承認させたい政府は「新大統領がまだ決まらない、今だから」と言う。果たしてそんな勝手な思惑でいいんでしょうか。
【 遠藤 敏信 】

晴れの中、大勢の人出でにぎわう 「新庄味覚まつり」 (10/15